続・国防の対価
24日の記事「国防の対価」にて、米軍再編に関する日本の経費負担問題について述べさせてもらった。 長文の上最後をキッチリまとめてないので、ここでおおよその要点をピックアップすると、
①日本が戦後から今日に至るまで平和でいられたのは、多分にアメリカ軍のおかげではないか
②今後も日本が抑止力を維持していくなら、アメリカべったりになるか、あるいは自前で戦力を持つかの2択しかない
③いずれにしても、多少の出費は仕方ない
④「戦争はイヤ、だけど自衛隊も在日米軍もダメ」なんて言う連中はお花畑
…以上の4点になる。私自身はこの問題については、24日に額賀とラムズフェルドとの会談で経費負担割合に関する合意が行われた事で「当初の75%負担からは随分減ったのだから…」などと考えていたのだが、その矢先にアメリカから飛び出てきたのが冒頭のとんでもないニュースである。
日本の負担が260億ドルに対し、アメリカの負担は40億ドル。これほど巨額の経費を日本が負担しなければならないのは日米地位協定によるものらしいが、それにしても尋常でない金額である。そのくせ、総額300億ドルという再編経費の根拠はよく判っていない。
そもそも、日本が米軍再編問題に巻き込まれている原因は、「今後もアメリカに守ってもらおう」という日本の対米追従姿勢にある。その一方で、アメリカは再編後にも極東アジアに一定の影響力を残しておきたいようで、結局連中の思惑に日本がのせられたという形ではあるのだが、それにしてもあまりに一方的である。こんな話があっていいのだろうか?
ヤンキーは「これは日本の同盟への巨額投資だ」などと述べたようだが、もし仮にブッシュの考える理想的な米軍、すなわち「ハイテク化により、世界のどこにでもすぐに出動できる軍隊」が再編によって実現すれば、海外の米軍基地はもとより、同盟国すらも必要なくなるはずである(参考・ブッシュの米軍再編の理想と幻想)。よってこのセリフは、「守ってもらうつもりなら、もっとカネを出せ」という、いわゆる「みかじめ料の請求」に他ならない。
日本政府にわずかなりとも「誇り」があるのなら、こんな要求は本来突っぱねるものであろう。しかし、コイズミが現政権中にこの問題の決着をつけようとしているところから考えて、政府はおそらくこの巨額の負担を呑むのだろうが、とてもじゃないが国民の理解を容易に得られるような金額ではない。アメリカべったりどころか、奴隷根性と言ってもいいくらいのものである。
むしろこれだけの費用をかけるのであれば、何もアメリカなんぞカネを払わなくとも、自国戦力の強化に回した方がよほど効果的だと思うのだがどうだろう。ヤンキーが本当に日本を守ってくれるのかは怪しいし、そもそも連中は日本の再軍備を望んでいたはずだ。「もうアメリカの手は借りません」と言えば、長期的に見れば米軍の負担は間違いなく減る。
それでもなおアメリカが「日米同盟云々~」などと言い出したら、それは先に述べたような「別の思惑」が絡んでいるものであって、その際には改めて協議を行えばいい。いくら「多少の出費は止むを得ない」と言っても、今日のアメリカの要求は費用対効果を考えても甚だ疑問である。
「国防」という問題はマスコミの報道などによると「地域のもの」のように誤解されてしまいがちだが、今回のように費用面の話など出てこなくとも、そもそも全ての国民の安全に関わる大事な問題だ。「戦争」が外交手段の一つである以上、日本が独立した国家として今後もやっていこうとするならば、一人ひとりがよりしっかりと考えていかなくてはならないものである。
昨日「6月の約束も簡単に破られそうだ」と言ったらコレか。「アジアの真実」様では「これもリップサービス」との分析。とはいえ、いとも簡単にこういう行為ができるのが韓国人の韓国人たる所以か。竹島付近の調査問題は一段落したように見えたが、近いうちにもう一悶着ありそうだな。
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