東京新聞コラム7/24~卑怯な新聞
【藤木君のことが気になっている。今月から朝刊で連載が始まった漫画『ちびまる子ちゃん』の登場人物の一人だ。「暗い二人組」のうちの一人という脇役なのだが、三回も主役級で登場している▼藤木君はテストでカンニングをし、パン屋ではつりが多くても黙っていて、掃除当番は友だちをだまして押しつけてしまう。まる子は「みんなが言うほど卑怯(ひきょう)じゃないと思うんだ」とかばうが、藤木君自身、卑怯だと自覚して悩んでいる。オチでは「オレってレベル低いなあ…」とつぶやく▼漫画は昭和四十年代の日常をテーマにしており、小学三年生のまる子は作者のさくらももこさんがモデル。さくらさんには藤木君と同じような悩みを抱えていた時期がある。幼年期のエピソードを綴(つづ)った『おんぶにだっこ』(小学館)で告白している▼小学一年生のとき、同級生のランドセルに誤って傷をつけてしまった。自分がやったと正直に言えず、やがて同級生の仕業となってしまう。「たくさんの苦悩が何カ月間も心に渦巻き続けた」という▼さくらさんには社会問題を連載で取り上げる考えはないというが、藤木君が登場すると今の社会を意識せずにはいられない。同じ新聞に、だましたり、ごまかしたり、隠したり、見て見ぬふりをしたりと、大人の社会で起きている卑怯な出来事がたくさん載っている▼でも自分は卑怯だと自覚して悩んでいるかといえば、そうでもないような人が多く見受けられる。自らを戒めながら、藤木君に「大丈夫。レベル低くないよ」と声をかけたくなる】
この7月から東京新聞では「ちびまる子ちゃん」の4コマ連載が始まっていて、一時はネットのニュースなどに取り上げられていた事もあったが…私個人の感想としては大して面白くもない。何つーか、内容はどれも過去にテレビや漫画で見た事があるようなものばかりで、それを「4コマにまとめてみました!」みたいな感じなのだ。同じ新聞マンガなら「コボちゃん」の方が百倍は面白いと思う。
…それはともかくとして、話も全く変わるのだが、やけに藤木君にシンパシーを感じている今日の東京新聞のコラム。ここでふと気づいたのだが、藤木君の「ふじ」という漢字は、音読みにすれば「とう」とも読める。つまり「藤木」と書いて「とうき」。とうき…とうき…とうきょう…東京新聞…アレ?
何という事だ!「藤木用新聞」と書いて「とうきょうしんぶん」と読めない事もないではないか!あるいは「藤木のような新聞」でもいいだろう!だからこそ東京新聞の中の人は、藤木君に何らかの繋がりを感じ取っていたんじゃないだろうか!?バンザーイ!!
…とまぁ、無理矢理ボケるのはこれくらいにしておいて、実際に「卑怯」という共通点で見た時、藤木君と東京新聞は通じるものがありはしないか。自分たちに都合の悪い出来事は報道しなかったり、印象操作も日常茶飯事。余所様には責任を求めるくせに、自分たちの書いた文章には責任を持とうとしない。これで堂々とメディアを名乗っているのだから、その感覚には首を傾げざるを得ない。まる子もさすがに「(東京新聞は)みんなが言うほど卑怯じゃないと思うんだ」とは言えないのでは?
自分を卑怯だと自覚し、それに悩んでいる藤木君の姿は、己の欠点を改善し前に進んでいこうと努力するものだ。だが東京新聞には、そのような戒めの姿は見受けられない。中の人には「大丈夫?レベル低いよ?」と声をかけておこう。
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