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2007年7月28日

東京新聞社説7/27~未だに弁護団を擁護するか

●弁護士脅迫 裁きは法廷で冷静に●

【遺族感情を害し、いわゆる世間の批判にさらされても、正しいと考える活動をするのが弁護士の使命だ。その行動や自由な司法判断を封じようとする卑劣な脅迫は、法で裁かなければならない。

 一九九九年に起きた山口県光市の母子殺害事件の弁護人を脅迫する手紙が、日本弁護士連合会や新聞社に届いた。事件当時十八歳だった被告を死刑にできないなら弁護人らを銃で処刑する、という内容だ。

 母親と幼い子供の命が奪われた痛ましい事件であり、遺族の心情は察するに余りある。被告に対する憎しみをあおる報道が一部メディアにあふれ、一、二審判決が無期懲役だったことと相まって関心を集めた。

 最高裁が広島高裁に差し戻し、現在は同高裁で審理中だが、上告審、やり直し控訴審における弁護人の行動、弁護方針が多くの人に違和感を抱かせたことも事実だ。

 しかし、刑の量定も、弁護人の主張に対する法的判断も裁判官のみができる。裁判と無関係な人間が特定の行動や司法判断を関係者に強要することは許されない。

 憲法三七条は「刑事被告人はいかなる場合にも資格を有する弁護人を依頼することができる」と定めている。弁護人の役割は被告に適正な裁判を受けさせ、罪を犯した被告であっても刑罰の適正を確保してその人権を守ることである。

 人類が英知を積み重ねて完成した刑事裁判は、凶悪な事件を起こした被告にも守られるべき人権はあるとの前提で成り立っている。

 役割を忠実に果たしている弁護活動が、被害者感情を害し、社会的批判を受けることもある。そのような場合でも敢然と職責を全うすることが弁護士には求められる。

 国連の「弁護士の役割に関する基本原則」は各国政府に弁護士の安全を保障するよう求めている。

 「政府は、弁護士が脅迫、妨害、困惑あるいは不当な干渉を受けることなく、その専門的職務をすべて果たしうること…を保障する」「弁護士が、その職務を果たしたことにより、安全が脅かされる時には、当局により十分に保護される」-という第一六条の規定である。

 捜査当局は速やかに捜査し、手紙を送った人物に法の裁きを受けさせなければならない。さもなければ弁護活動が委縮し、刑事裁判が形骸(けいがい)化しかねない。

 脅迫は元少年の弁護人たちが死刑廃止論者であることも関係していそうだが死刑廃止の是非は冷静な環境で考えるべき問題だ。特定の事件をもとに感情的に語るのは避けたい】

※事件概要など

・アパートで主婦、本村弥生さん(当時23歳)を暴行目的で襲って殺害。遺体を陵辱後、
 母の遺体に泣きながらはって寄ってくる夕夏ちゃん(同11カ月)を持ち上げて床に叩きつけ
 それでもなお母の所へ来ようとするところを絞殺。財布を盗んだ。
 山口地裁は(1)犯行時は18歳と30日で発育途上(2)法廷で涙を浮かべた様子から更生
 可能性あり(3)生育環境に同情すべき点あり、などから無期懲役を言い渡した。

※元少年が知人に出した手紙など
・「無期はほぼキマリ、7年そこそこに地上に芽を出す」
・「犬がかわいい犬と出合った…そのまま『やっちゃった』…罪でしょうか」
・『もう勝った。終始笑うは悪なのが今の世だ。
  私は環境のせいにして逃げるのだよ、アケチ君』
・『オレ自身、刑務所のげんじょーにきょうみあるし、速く出たくもない。
  キタナイ外へ出る時は、完全究極体で出たい。
  じゃないと二度目のぎせい者が出るかも』
・(被害者に対して)『ま、しゃーないですね今更。ありゃー調子付いてると僕もね、思うとりました。』

※安田弁護士(死刑廃止派)らの意見…弁護団は21人構成
・「遺体を強姦したのは、生き返らせるための魔術的儀式」
・「強姦目的じゃなく、優しくしてもらいたいという甘えの気持ちで抱きついた」
・「(夕夏ちゃんを殺そうとしたのではなく)泣き止ますために首に蝶々結びしただけ」

※心理鑑定・日本福祉大学の加藤幸雄教授の意見
・「私なら、世間に“性暴力ストーリー”と受け取らせず、“母胎回帰ストーリー”と示せた」
・「専門家のサポートがあれば、更生の可能性がある」

※元少年の質問回答
・「ロールプレイングゲーム感覚で、排水検査装った」
・「ピンポンダッシュ遊びして、たまたま本村さんの家に入った」
・「赤ちゃんの遺体を押し入れの天袋に隠したのは、ドラえもんが何とかしてくれると思った」
・「赤ちゃんをあやそうと抱いたら、手が滑って頭から落ちた」
・「死んだあとで服を脱がしたのは、女性だったら恥ずかしくて反応するかと思って」
・「精子を女性の体内に入れたら、生き返ると本で読んだ」
(以上、「あんた何様?日記」様より引用)

 弁護人が従うべきは法であり、真実であり、また弁護する人間である。感情はともかくとして、己の主義主張を法の場に持ち込む事は許されない。そのタブーを犯しているからこそ、この事件の弁護団は叩かれているのだ。東京新聞はそれについて、いつまで「聞こえないフリ」を続けるつもりなのか?それとも「自分たちの主義主張を通すためには嘘でも何でも垂れ流す」という弁護団の姿勢に、何か思うところでもあるのだろうか?

 確かに真実を守るため、法律家が世論に立ち向かわなければならない時もあるだろう。そういう弁護士の安全をあらゆる形で守らなければならないと言うのは理解できる。だが、この弁護団の語る言葉は、到底真実とは思えないどころか、遺族や法廷そのものを侮辱するものだ。「脅迫」という行為自体は問題だが、連中のしている事はそれに十分値すると思う。

>弁護人の役割は被告に適正な裁判を受けさせ、罪を犯した被告であっても刑罰の適正を確保してその人権を守ることである

 この一文を書いていながら、何故弁護団を東京新聞は批判しないのだろうか。もう既に朝日や毎日も、あの連中を見限っているというのに…。

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