産経新聞コラム9/10~国民へのアピールも指導者には必須
【「選挙は最後の一分一秒までわからないんだぞ。ゴルフへ行くヒマがあったら駅前で握手してこい」。選挙の季節がやってくるたびに、今は鬼籍に入った大物政治家が、衆院解散が噂(うわさ)されてものんびりしていた若手をどやしつけていた光景を思いだす。
▼きょうから自民党総裁選が始まる。マケイン氏とオバマ氏ががっぷり四つに組み、1年近くにわたって続いている米大統領選と比べると、規模も役者も貧相にみえるが、談合でポスト福田が決まるよりはよほど健全だ。
▼競馬予想風にいえば、吉田茂元首相の孫というサラブレッド・麻生太郎氏が森喜朗元首相らの声援を受け、他の候補を引き離し圧勝しそうだ。だが、半世紀以上も前の総裁選では、決選投票で2・3位連合が成立。本命の岸信介氏が敗れ、石橋湛山政権が誕生した。近くは小泉純一郎氏が「自民党をぶっ壊す」と叫び、下馬評を覆した前例もある。
▼これから2週間近く、総裁候補たちは、全国各地で街頭に立ち、討論会も数多くこなす。彼らを報道各社が追っかけ、情報の発信量も当然増える。無投票で小沢一郎代表の3選が決まった民主党は「メディアはなぜ自民党に肩入れするのか」とお怒りのようだが、筋違いだ。
▼確かに、自民党は無責任な政権放りだしを総裁選で取り繕おうとしている。それでも候補者が財政や景気、安全保障を論じ、政策が具体性を帯びる効用は大きい。なにより「首相候補」たりうるかどうかの判断材料を与えてくれる。
▼茶番劇だ、と批判する民主党も代表選をやればよかったのだ。党内が「小沢信者」ばかりなら無投票でもいいだろうが、そうではなかろう。政策は政敵との論戦で磨かれる。祭りは見るモノではなく、踊ってこそ意味がある】
今行われている日本の総裁選と、太平洋の向こうの国の大統領選挙を比較するのは選挙の制度自体違うのでアレなんですけど、少なくとも「自分たちの国の指導者を決めよう」って時、それが国民の注目を集めない、あるいは集めようとしないのはどうかと思うんですよね。小沢代表の無投票三選は「来るべき総選挙で勝利する」という目的では間違いとは言い切れませんが、それは党としての話であって、国民が求めているのは「その先で何をしてくれるのか」なのですから。まぁ、社民党の「名づけバァさん」みたいに、「実は政権を取るのは諦めている」なんて話ならそれでもいいんですがね?
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