東京新聞社説9/6~むしろ民主が独裁っぽいんですけど
【福田康夫首相の退陣を受けた自民党総裁選が候補者乱立の様相を見せている。派手な演出で総選挙へ、との思惑が透ける。政策論争は当然だが、この政治空白の総括はどうしたか。そこから始めよ。
自民党が後継レースで活気づく。麻生太郎、与謝野馨、石原伸晃、小池百合子の四氏が名乗りを上げ、石破茂氏も続いた。推薦人を確保できるかはともかく、出馬に意欲を示す若手も複数出た。
総裁選びの動向をメディアが盛んに取り上げることもあって、世論調査では党支持率がアップした。小沢一郎代表の無投票三選が固まった民主党はかすんでしまった。巧みな「局面転換」ではある。
ただ、候補の乱立傾向は党の秩序が崩れていることや、求心力のある人材の枯渇を逆説的に物語っているのではないか。
出馬表明したり意欲のある議員に聞きたいことがある。安倍晋三前首相、福田首相と、政権投げ出しが二年続けて起きた。国民には失態と映っている。そのこと自体をどう総括しているのか。
首相が掲げる道路特定財源の一般財源化や消費者庁設置は退陣で中途半端になった。北朝鮮は拉致再調査の延期を通告してきた。
自分たちの選んだトップが招いた政治の機能不全をどう考え、そこからどんな教訓を得ているか。世襲議員のひ弱さ、首相としての資質の欠如が指摘されている。自らを省みて臨んでほしい。
総裁選は十日に告示され、全国十八カ所で街頭演説が予定されている。論争の柱として経済政策が挙がる。景気対策優先の麻生氏、財政再建の与謝野氏、小泉改革の継承を唱える石原、小池両氏に徹底した路線論争を望む。
財政規律を堅持するとしながら福田内閣は公明党が求める定額減税をのんだ。「バラマキ批判」が出ている。政府・与党の責任者である麻生、与謝野両氏も、小池氏の後ろ盾とされる中川秀直氏も同調している。差は小さい。これでは争点から外れかねない。
候補者たちの霞が関との距離感も聞きたい。民主党は官僚システムの抜本改革を主張する。次の総選挙の大きな争点だ。
自民党の「賞味期限切れ」が取りざたされて久しい。演出過剰のお祭り騒ぎの空虚さは国民に見透かされるのではないか。
二代続いた醜態に、ここできっちり区切りをつけておかなければ、いずれ「二度あることは三度」になってしまう】
>ただ、候補の乱立傾向は党の秩序が崩れていることや、求心力のある人材の枯渇を逆説的に物語っているのではないか
小沢以外に代表候補が現れず、すっかり影の薄くなった民主党を懸命に擁護しておりますな。
しかし私には、今や衆参合わせて二百人を超える議員を抱えた政党において、代表に適するような人間が一人しかいない、あるいは出てこない状況の方が、よっぽど不自然に感じます。もともと民主党が旧自由党や旧社会党など、あちこちから流れてきた政治家の寄せ集まりである事を思えばなおさらでしょう。「政権交代を目標に全党で結束」などと言われれば聞こえはいいかも知れませんが、国民が求めているのは政権交代などではなく「その先にどういう政治が行われるか」ですからね。
>自民党の「賞味期限切れ」が取りざたされて久しい
「毒入り」を食べないためにはあえて「賞味期限切れ」を選ばなければならない、って事もあるのですよ?
【関連】福田氏が辞めた途端に自民支持率が民主を上回ったことの意味 ~自民党は最後のチャンスと捉えよ~(「アジアの真実」様)
「今までの国民の民主党への支持は、やはり単なる自民党への批判票が多数を占めていた」という点については、私も同じ事を感じました。まぁ、政策論争の場をスルーしておいてただ「政権交代!」と叫ぶだけでは、民主党の支持者が増えるはずがありませんけれどね。そういう事をするつもりがないのならいっそ、民主党は万年野党第一党として「自民党は国民の事を考えた政治をしろ。さもなくばいつでも政権を奪い取るぞ」と圧力をかける役目を任されてはどうでしょうかね?
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