そうしてバカが騙される
朝日新聞の読者を欺くテクニック・・・誇張はどこまで許されるか
【11月11日付朝日新聞一面トップは自社の世論調査の結果です。『内閣支持率下落 37%』との見出しと、支持率の変化を表したグラフ(※)が載っています。一見すると麻生内閣の支持率が大きく低下しているように見えます。
上のグラフは朝日に掲載されたもので内閣支持率の変化が大きく描かれ、下のグラフは同じデータで作った不作為のグラフで、変化は小さく見えます。朝日のグラフは縦軸の35%から下が圧縮され、縦軸の表示範囲は35%から50%の15%だけになっているため変化が誇張される仕組みになっています。わずか15ポイントの変化で下限から上限に達します。また赤はポジティブなもの、青はネガティブなものを表すのが一般的ですが、朝日の色は逆で、支持が青、不支持が赤になっており、奇妙な印象を受けます。不支持を赤として目立たせたいのかも知れません。あるいは朝日にとっては不支持がポジティブなのでしょうか。
変化を正しく表すのは下のグラフです。例えば、不支持率が38%から41%に変わったことを表示するにはそれぞれ0から38、0から41という縦軸方向の長さで表さなければなりません。0からの高さの比で変化率を読み取ることができるわけです。朝日式のグラフでは縦軸の限られた部分だけを表示し、さらにそれを縦方向に引き伸ばすことで、グラフの傾斜は任意に大きくすることが可能です。つまり変化の度合いを好きなように見せることができます。
この表示方法は差を強調する場合に広く使われていますが、事実を正確に表示するのには向きません。誤解されるのを承知で使う場合は欺まんと言ってもよいでしょう。
一方、同時期に実施されたNHKの世論調査によれば、麻生内閣の支持率は前月に比べ「支持する」が3ポイント上がって49%、「支持しない」は4ポイント下がって40%となっていて、朝日の調査とは数値が大きく異なり、傾向も正反対の方向を示しています。
「支持する」は朝日の37%に対しNHKは49%と12ポイントの大差があります。1000人を超えるサンプル調査の誤差としては考えられないほど大きいものであり、その理由はわかりませんが、とにかく信頼できないことは確かです。せめて他社の調査と差があること、誤差の可能性を併記するのが誠実な態度と言えるでしょう。
他の調査との差が大きいこと、つまり信頼性が低いことを隠したまま自社の調査を、それも誇張して一面トップに掲載すれば、読者は誤った認識をもってしまいます。一流紙のすることでしょうか。このような小細工を重ねる「努力」の集積が読者信頼度の低下を招いていると考えられます。テレビやネットより速報性で劣る新聞にとって、信頼度は最も重要なものです。
調査は9月末から5回行われ、月3回のペースです。電話で聞きとった1000人程度の意見をこれほどの頻度で大々的に報じれば、わかりやすく短期的な政策が重視され、政治から長期的な視点が失われる恐れがあります。頻度が高すぎること、記事が誇張されていること、そして数値自体が信頼できないことを考えると、害の方が勝るのではないでしょうか】
※グラフについてはリンク先を参照願います。
「アカが書き ヤクザが売って バカが読む」なんて言葉もありますが、記事の内容を鵜呑みにするバカと確信犯的に(間違った意味で)印象操作を行っているアカ、どちらがより問題なのかと問われたら、そりゃ間違いなく後者でしょうな。朝日新聞の皆さん、アンタら「害」ですってよ?ざまぁ(笑)。
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