<臨時国会>鳩山首相、所信表明 演説の要旨
【第173臨時国会が26日、召集された。鳩山由紀夫首相の所信表明演説の要旨は次の通り。
<はじめに>
「今の日本の政治を何とかしてくれないと困る」という国民の声が政権交代をもたらした。総選挙の勝利者は国民一人ひとりだ。国民の強い意思と熱い期待に応えるべく、国政の変革に取り組む。政治と行政に対する国民の信頼を回復するため、行政の無駄や因習を改め、政治家が率先して汗をかくことが重要だ。官僚依存の仕組みを排し、政治主導・国民主導の新しい政治へと180度転換する。
まず行うべきは「戦後行政の大掃除」だ。「組織や事業の大掃除」として、行政刷新会議で政府のすべての予算や事務・事業、規制のあり方を見直す。税金の無駄遣いを徹底して排除し、行政内部の密約や省庁間の覚書も明らかにする。地域主権型の法制度へと抜本的に変え、国家公務員の天下りや渡りのあっせんも全面禁止する。国家戦略室で税金の使い道と予算編成のあり方を見直す。縦割り行政の垣根を排し、複数年度を視野にトップダウン型の予算編成を行う。個々の事業の政策目標と、それが達成されたか説明できるよう予算編成と執行のあり方を改める。
政治資金を巡る国民の批判は真摯(しんし)に受け止める。私の政治資金の問題で政治への不信を持たれ、国民に迷惑をかけたことを誠に申し訳なく思う。政治への信頼を取り戻せるよう、捜査に全面的に協力する。
<いのちを守り、国民生活を第一とした政治>
政治には弱い立場、少数の人々の視点が尊重されなければならないと、私の友愛政治の原点として宣言する。年金記録問題では集中的な取り組みを行う。医療・介護については、財政のみの視点から費用を抑制してきた方針を転換する。子育てや教育は社会全体が助け合い負担する発想が必要だ。子ども手当の創設などを進める。
<「居場所と出番」のある社会、「支え合って生きていく日本」>
新しい共同体のあり方として、子育て、介護などのボランティア活動や環境保護運動、インターネットでのつながりなどを活用し「誰かが誰かを知っている」信頼の市民ネットワークを編み直す。人と人が支え合い、役に立ち合う「新しい公共」の概念を目指す。
<人間のための経済へ>
経済合理性や成長率に偏った評価軸で経済をとらえるのをやめ、雇用や人材育成の面でのセーフティーネットを整備するなど国民の暮らしの豊かさに力点を置いた経済、社会へ転換させなければならない。子ども手当などで家計を直接応援し、物心両面から個人消費の拡大を目指す。低炭素型産業「緑の産業」を成長の柱として育てる。公共事業依存型の産業構造を「コンクリートから人へ」の基本方針に基づき転換する。
「人間のための経済」を実現するために地域のことは地域の住民が決める「地域主権」改革を断行する。地方の自主財源の充実、強化に努め、国と地方が対等に協議する場の法制化を実現する。
<かけ橋としての日本>
日本が地球温暖化や核拡散問題、アフリカをはじめとする貧困問題など地球規模の課題の克服に向けて立ち上がり、東洋と西洋、先進国と途上国、多様な文明の間の「かけ橋」とならなければならない。地球と日本の環境を守り未来の子供たちに引き継いでいくための行動を「チャレンジ25」と名付け、あらゆる政策を総動員し推進する。
日本を取り巻く海を友好と連帯の「実りの海」にすることは世界全体の利益となる。その基盤は緊密かつ対等な日米同盟だ。在日米軍再編については安全保障上の観点も踏まえ、過去の日米合意などの経緯も慎重に検証した上で、沖縄の人々が背負ってきた負担、苦しみや悲しみに思いをいたし真剣に取り組む。
アフガニスタンに対しては農業支援、元兵士に対する職業訓練、警察機能の強化など日本の得意とする分野や方法で積極的支援を行う。インド洋での補給支援活動は単純な延長は行わず、大きな文脈の中で対処する。
アジア太平洋地域では日本の防災技術などを役立てることが、より必要とされてくる。文化面での交流関係の強化も重要だ。次世代の若者が国境を越えて交流を深めることは相互の信頼関係深化のために極めて有効だ。他の地域に開かれた透明性の高い協力体としての東アジア共同体構想を推進する。
<むすび>
鳩山内閣が取り組んでいるのは「無血の平成維新」だ。官僚依存から国民への大政奉還であり、中央集権から地域・現場主権へ、島国から開かれた海洋国家への国のかたちの変革の試みだ。
つまずくことも頭を打つこともあるかもしれないが、後世の歴史家から「30年、50年後の日本を見すえた改革が断行された」と評価されるような政権を目指したい。私たちの変革の挑戦に力を貸してほしい】
鳩の所信表明演説、NHKのラジオ中継で最初から聴いてみましたが、わざわざ改めて演説するような内容でしたかね?ほとんど最後まで、過去にどこかで鳩が喋っていたような話ばかりで、真新しい、あるいは目を(耳を?)惹くような中身は皆無だったように感じました(むしろツッコミ所ばかり)。かつての野党代表時代、理念や抽象論を語るばかりで現実論の麻生首相と全く話が噛み合っていなかった、突然小学校の話とかを持ち出して、聴いてる人間を白黒させた党首討論の頃と、立場は大きく変わったのに本人が何も変わっていないんじゃないですか?
まぁ、それでも中継を聴いた成果はありました。鳩が「~しようじゃありませんか!」とか「~する事を目指します!」などと何か一言言うたびに沸き起こる「そうだ!」「ワーワー!」という同調の声、そして万雷の拍手…1時間の演説の4分の1はコレに費やされていたと思いますよ。ハッキリ言わせてもらえばあの雰囲気、気持ち悪かったですね。こいつらに一時とはいえ日本を任せなきゃならないと思うと…改めて「何とかしなくては」と感じた今日でした。
最近のコメント