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2010年10月26日

東京新聞コラム10/26~機関紙からもダメ出し

東京新聞「筆洗」10/26付

【ロシアの作家ゴーリキーの戯曲『どん底』の中、登場人物がこんなせりふを吐く場面がある。<仕事が楽しみなら、人生は極楽だ! 仕事が義務なら、人生は地獄だ!>▼おそらく、「地獄」から解放されたこの人は今、楽しくて仕方がないのだろう。次の総選挙に立候補せず政界からの引退を表明していた鳩山由紀夫前首相が、引退を事実上撤回する意向を明らかにした▼辞任した後、菅直人首相の特使などで頻繁に海外を飛び回っている。「前首相」の肩書があれば、訪問した外国では大いに歓待してくれる。現職の重圧に比べれば、責任などあってないようなもの。まさに「極楽」だろう▼鳩山さんの言葉の軽さにはもう慣れてしまい、ああ、またかと思ってしまうのが怖い。「総理大臣たるもの、その影響を行使しすぎてはいけないと思っている。従って、私は次の総選挙には出馬いたしません」と明言したのは何だったのか▼鳩山さんは昨年の衆院選前、「首相まで極めた人がその後、影響力を行使することが政治の混乱を招いている」と自民党の森喜朗・元首相らを批判していた。これほど言行一致しない政治家も珍しい▼引退を撤回する理由は「民主党の状況が思わしくないから」だという。首相まで務めた政治家の言葉の軽さは、国民の信頼を損ねる。民主党を立て直したいなら、やっぱり引退した方がいい

 まぁ、「歴史的政権交代(笑)」を1年足らずで台無しにした戦犯のひとりですからねぇ…海外マスコミに「ルーピー」とまで評された宰相ってのも、なかなかいなかったでしょうし。

 もっとも、「口だけ」「無責任」「意味不明」といった点は何もポッポに限った話でなく、民主党の政治家の多くに共通する問題ですよね。「民主党を立て直したいなら」と引退を勧めるなら、民主党自体にもう一度野党からやり直す事を勧めてもいいくらいじゃないかと思うのですが。

【参考】鳩山氏、引退撤回批判に反論

【ベトナム訪問中の鳩山由紀夫前首相は25日、ハノイ市内で記者会見し、政界引退の撤回に批判が出ていることに対し「国難といえるときに、自分だけ辞めて『はい、さようなら』でいいのか」と反論した。ベトナム訪問も国会議員の活動の一環であることを強調した】

 国難を招いた原因が何を言うか。

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