東京新聞社説10/4~納得の狗っぷりです
【レアアースを武器に影響力行使を躊躇(ちゅうちょ)しない中国は、日本だけでなく米欧も困惑させている。WTO違反の疑いさえある外交手法は信頼を損ねる。日米欧が協調し互恵の立場に帰るよう促すべきだ。
中国が尖閣諸島周辺での漁船衝突事件後に踏み切ったレアアース(希土類)の対日禁輸を解除し、日中関係の修復に動きだした。
キャンベル米国務次官補が「こうした行動は信頼醸成につながらない」と牽制(けんせい)したことも、中国の軟化を誘ったようだ。発言の意図は日本への肩入れにとどまらない。希土類を戦略物資と位置づける中国に、米国自らも揺さぶられている現実に促されたと見るべきだろう。
中国は七月、事前協議もなく希土類の輸出を今年下期から一気に七割減らすと通告し、日米欧などを慌てさせた。希土類はハイブリッドや電気自動車用モーターの強力磁石など、ハイテク製品に欠かせぬ素材だ。中国の生産量は世界の97%、一人勝ちが続いている。
薬品を使った鉱石採取による土壌汚染防止を削減理由にしているが、額面通りには受け取れない。
中国は潤沢な希土類を使って強度に優れた高機能鋼板を生産し、補助金つきで対米輸出を始めた。それを全米鉄鋼労組が不公正貿易だと反発し、米通商法に基づく調査開始の要求をオバマ政権に突きつけた。調査開始となれば米中関係にも摩擦が及ぶだろう。
欧州の自動車業界も希土類の出し惜しみは排ガス浄化装置などの生産に手痛い損失をもたらすと、日本に「共闘」を打診してきた。
そもそも海外向けに限った供給削減や、補助金つきの輸出は、世界貿易機関(WTO)のルールを逸脱する恐れが大きい。
中国が「泥」から「宝」へと希土類の評価を変えたのは、ハイブリッド車、プリウスの販売が本格化した二〇〇〇年ごろのことだ。
資源国としては当然の判断だが、価格つり上げを狙った供給削減で輸入国を混乱させては信を失う。既にインド、ベトナムなどに調達先を分散する「脱中国」の動きが広がっている。米下院では代替品の研究開発を後押しする緊急法案が可決された。いずれは中国自身に輸出削減のツケが回りかねない。
経済は世界規模で統合が進み、円滑な貿易こそが各国に利益をもたらす。日米欧にとり中国は重要な市場だが、一方的な国益追求を互恵外交に転じるよう中国を促す役回りも、あえて担ってほしい】
「中国は再び互恵外交に」というタイトルながら、中国に向けて「○○するべきだ」というような、行動を求める文章が全文通して一つも出てこないってのはどういう事なんでしょうか…日本政府やアメリカなんかに対しては、上から目線で「アレをしろ、コレはやるな」とか傍若無人に書き散らすクセに。国際ルールの逸脱など、問題がことごとく中国側にある事は判ってるんでしょ、行動が批判されなきゃならないのは誰かって事は判ってるんでしょ、東京新聞さん?
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