紙面を私物化しまくり
中日新聞社説10/2~中日リーグ優勝 “忘れ物”取りに行こう
【中日ドラゴンズが、四年ぶり八回目のセ・リーグ優勝に輝いた。名古屋開府四百年をことほぐように。昇竜の勝利は地域に元気をもたらす特効薬。おめでとう竜戦士。ことしこそ「完全優勝」だ。
丁寧にかたち作られ、真っ赤な炎の中で焼かれて、そして、狙い通りの発色に成功した。名陶の完成を見るような、静かで深い歓喜の瞬間だった。「守り勝つ野球」。落合監督が掲げ続けた中日ドラゴンズの野球のかたちは、今季のリーグ優勝で、ほぼ完成に近づいたといえるだろう。
かなめは、十二球団最強の呼び声高い投手力。「守り勝つ」は、単なるスローガンではない。ナゴヤドームは広い。マウンドが硬く、傾斜が強い。はじめから投手有利にできている。本拠地の特性を熟慮して、“名工監督”は投のかたちを整え、磨き上げてきた。
絶対のエースはいない。しかし、先発、中継ぎ、抑えがそれぞれの役割をきちんと果たす不動のかたち、とりわけ、中継ぎの高橋、浅尾の奮闘が際立った。四年目の浅尾は、残り一試合で登板試合七十一、ホールドポイント五十九と、それぞれ球団記録、日本記録を塗り替えた。
巨人、阪神と三つどもえの大接戦に突入した後半戦、明暗を分けたのは記録的猛暑の夏だ。三チーム中唯一、八月を勝ち越して、奪首への足掛かりを築くことができたのも、揺るぎないかたちがあったからだろう。勝率七割六分を超える本拠地での圧倒的な強さが、このことを裏付ける。
九月十日のナゴヤドーム横浜戦は象徴的な展開だった。先発の岩田が七回を零封して浅尾。そして八回、森野の犠飛で虎の子の一点を挙げると、岩瀬につないでそれを守り抜き、五カ月ぶりの首位に躍り出た。「一点差でも勝ちは勝ち」。落合語録を地で行った。
ずばぬけたスターは不在、V9時代の巨人を思わせる手堅い試合ぶり、強さの割に観客動員はもの足らない。しかし、投のかたちができたチームは、打線の好不調に慌てふためくこともなく、短期決戦には強いとされる。クライマックスシリーズや日本シリーズに強いチームといえるだろう。
四年前は日本シリーズで涙をのんだ。その翌年には、五十三年ぶりの日本一、だがペナントは奪えなかった。
進化したオレ竜が完全優勝という忘れ物を取りに行く。今こそ地域を挙げて盛り上げたい】
【どんなスポーツの試合にも攻めと守り、両方の要素があろうが、イニングの表裏で、あれほど明確に区別されているのは野球ぐらいのものだろう
▼攻守どちらの力も整うのが理想だが、では、どちらかといえばどちらが重要か。俗には<攻撃は最大の防御なり>という。でも、相撲のように攻守混然一体、サッカーのように忙しく攻守所を変える競技はともかく、野球には必ずしも当てはまるまい
▼例えば中日ドラゴンズ。チーム打率(攻撃)は、現在最下位のベイスターズをわずかに上回るリーグ五位にすぎない。ところがチーム防御率(防御)は断トツの一位。そして昨日、このチームが今季のセ・リーグ制覇を決めている
▼ところで、あの長嶋茂雄さんが自著『野球へのラブレター』に、面白いことを書いている。<プレーグラウンド内に家(ホームプレートは家の形をしている)を持っているスポーツなど野球以外にありはしない>
▼ホーム、つまり家から出た者が、家族(チームメート)の助けを借りて家に帰り着くことで得点が入る。家族一丸、何があるか分からない試合を乗り切るのが野球だというのだ。家は城ともいう。やはり「守り」が野球の本質かもしれぬ
▼主力にも生え抜きや地元出身が多く「ホーム」の色彩が強いドラゴンズだ。もちろんファンという“家族”の助けも大きかった優勝に違いない】
昨日セ・リーグの優勝を決めた中日ドラゴンズ、その親会社であるところの中日新聞の今日の社説と1面コラムですが、まぁ一体どこのスポーツ紙なのかと(注・中日新聞社はスポーツ紙も発行してます)。中日系列の新聞の読者が、すべからくドラゴンズファンであるはずはないでしょうし、そもそも読者は記者の感想文を読むために、毎月購読料を払ってるワケではないと思うのですが…。これがグループ全体の発行部数では変態毎日・日経新聞を上回る新聞社のやってる事だと思うと頭が痛いです。
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一応、もう一つの社説がこちら。しかし、ちゃんと自浄能力が働いているらしいところを見ると、少なくとも検察は中日新聞よりマトモな組織であるなぁと思う今日この頃。
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