…どうした東京新聞?
【百万部を超える大ベストセラーの詩集「くじけないで」の著者柴田トヨさん(99)が昨年、埼玉県警の依頼に応じ振り込め詐欺防止の詩をつくった。ポスターには柴田さんの顔写真とともに詐欺犯への呼び掛けがある▼<今 あなたの/している事を知ったら/あなたの家族は/どう思うかしら/子どもの頃/あなたには/やさしい心があった筈(はず)/風の囁(ささや)きも/聞こえた筈よ/弱い人たちを/苦しめないで/その知恵を/良い事に使ってください>。「振り込め詐欺犯さんへ」と話し掛けるような詩は優しく、埼玉県内限定とはもったいない▼警察庁によると、息子などを装って高齢者らから金をだまし取るおれおれ詐欺の昨年の認知件数は、前年より千三百六十一件増え、被害額は約七十九億二千万円だった。柴田さんの詩を目にしたら、彼らは踏みとどまるのか、と想像する▼きのう召集された通常国会の施政方針演説で、菅直人首相は消費税の増税論議に取り組む決意を表明。環太平洋連携協定(TPP)の国会での議論を提唱し「平成の開国」を訴えた▼いずれも政権交代時のマニフェストにはない重大な政策で、民主党政権の「質」が大きく変わってしまった印象を受ける▼政権交代を支持した人の中にはだまされたという思いを抱く人もいるだろう。四月は統一地方選がある。有権者は柴田さんの詩ほど優しくない】
【行き詰まり感をぬぐって政治は前進できるかどうか。新しい年の国会が開幕した。軽い言葉の氾濫や与野党のなじり合いはもうたくさん。論戦を熟議へリードする責任は菅直人首相にある。
年頭の施政万般にわたる演説は菅首相にとって初めて。年明けの内閣再改造と民主党人事に追われたとはいえ、草稿を周到に練る時間は十分あったようである。
国民の耳目を多分に意識した作りとなった首相の演説は、野党、とりわけ自民と公明党との政策合意実現へ、ひたすら身をかがめて、すり寄ることで異彩を放っている。
たとえば社会保障や税制の抜本改革で首相は、超党派の円卓会議や社会保障協議会の設置といった自公両党の提案を丁寧に紹介し、「問題意識と論点の多くは既に共有されている」として「各党が提案するとおり、与野党間で議論を始めよう」と呼び掛けている。
足元の与党も含め内外に慎重論の根強い環太平洋連携協定(TPP)参加をめぐっても、六月をめどに結論を出すとして、与野党に意見を持ち寄るよう促した。
四月には統一地方選があるし、参院の過半数を野党に握られた窮状は変わらない。負担増や社会的影響の大きい政策で「国民参加の議論を」と首相が訴える事情はわかる。しかし、殊勝な言葉にも多くの人が違和感を否めない。
野党が声を荒らげている。マニフェストの変質と変節。それにどう始末をつけるのか、と。私たちも同感だ。無駄の排除で十数兆円の財源を作る約束と、二年続けて赤字国債が税収を上回る現状とに首相は説明を尽くしていない。
与謝野馨氏を中枢に迎えて消費増税の旗振り役を委ねたのも同じことだ。野党は追及の手ぐすね引く。甘く考えない方がいい。
政権交代からわずか一年半で、これといった弁明や反省もなく自公の政策に抱きつくようでは、何のための政権交代だったかと批判されても仕方なかろう。
もう一つ、首相演説は小沢一郎氏の問題には直接触れず、政治資金透明化や企業・団体献金禁止も与野党協議を期待した。政治とカネにけりをつけるとの、あの意気込みはどうしたか。
「国民の皆さま」とへりくだる文句がやたら目立つ演説は、世論の支持を回復できずにいら立つ首相の心境の裏返しでもある。
本心で熟議を望むなら批判にさらされる覚悟と、ひたむきに理解を求める姿勢。それしかない】
いつもなら全力で民主党を擁護するであろう東京新聞が、今日はどうしたんでしょう?1面のコラムでは民主党政権をほとんど詐欺犯呼ばわり、社説も空き缶の演説を完全に否定する内容です。一方で読売・朝日の2大新聞社は、社説で「野党側も協議を拒否する理由はないのでは?」、「自民は『公約撤回しなければ話もしない』というのはどうなの?」などと随分寝呆けた事を書いている様子。そもそもアサヒは自民党党大会の谷垣の演説についても触れる事で、施政方針演説について真っ向から意見を書くのを避けてますよね?やっぱり例の件は真実なんですか?→【参考】信用できぬマスゴミばかり
まぁ「熟議の国会」だか何だか知りませんけど、昨年の臨時国会の体たらく、アレはほとんど民主党政権の側に問題があってのものでしたからねぇ。そこの部分について全く反省の色が見えなかった昨日の施政方針演説、あれでは今国会も間違いなく荒れるでしょうなぁ…。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント