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2011年2月 2日

東京新聞コラム2/2~そりゃもらえるワケがない

東京新聞「筆洗」2/2付

【ここ数日、記録的な大雪になった福井では、動けなくなった特急列車内で連泊した人もいた。国道でも多くの車が立ち往生した。ドライバーを励ますため、雪害対策本部の人たちが炊き出しをしておにぎりを差し入れたという▼自然の前では、人間はちっぽけな存在にすぎないが、助け合えば命を守ることができる。吹雪の中で困っている人たちの姿を想像できるからこそ、行動に移せたのだろう▼列島にはまだ寒気が居座る中、プロ野球十二球団のキャンプが始まった。注目の斎藤佑樹投手が初参加した日本ハムをはじめ、十球団のキャンプ地がある沖縄県は、経済効果を過去最高の百一億円と弾(はじ)く▼エースナンバーを背負ったルーキーを見ようと、名護市のキャンプ地にはきのう、四百五人の報道陣と八百人のファンが集まったが、“佑ちゃんフィーバー”の陰で、名護市が政府から兵糧攻めにされていることはあまり知られていない稲嶺進市長が米軍普天間飛行場の辺野古地区への移設に反対しているため、政府は昨年末、米軍再編交付金の名護市への支給を見合わせたのだ。凍結されたのは約十七億円。建て替え予定だった小学校の体育館も宙に浮いてしまった▼これから、テレビでキャンプの“佑ちゃんフィーバー”を見るたび、「アメとムチ」で沖縄を締め付ける古くさい政府の姿を思い浮かべてしまうだろう

 「兵糧攻め」「『アメとムチ』が古くさい」も何も、基地を受け入れる見返りとして交付金が支給されていたんですから、住民や自治体が「受け入れない」と言えば、支給を凍結されるのは契約として考えても普通ではありませんか?その金は他に基地受け入れに手を挙げる自治体が現れた時、そちらに交付するためにとっておくべきもので、むしろ受け入れを拒否した所には、これまで交付してきた税金を少しでも返済して頂きたいくらいです。こんなのは基地受け入れを反対した時点でそうなる事を覚悟しておくのが当然であって、「基地はよそに持って行け、だがカネも寄こせ」などというのはよほど厚かましいか、あるいは無知無策なのかのどちらかでしょうね。ちなみに名護市への交付金支給を見合わせた今の政府は、どうやら「無知」の方らしいですけど→【参考】「民主党は無知だった」与謝野氏…首相も追随

 …あと、昨今大々的に報じられている「佑ちゃんフィーバー」とやらは、「韓流」などと同様にマスコミが煽っているのが見え見えで、実に胡散臭い感じがします。政界で大きな問題が起こった時、芸能界やスポーツ界で別に問題を起こし、そちらで大騒ぎする事で国民の目を逸らそうとするというマスゴミのやり方はよく耳にしますけど、今回の騒ぎも国会とか小沢問題とか、そういうのが実は絡んでるんじゃありませんかね?それにしても、中の人が「“佑ちゃんフィーバー”を見るたびに政府の姿を思い浮かべる」とかいうのは、「どうぞご勝手に」といった感じですけど。

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