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2011年2月 8日

東京新聞社説2/8~「反旗」とはまたオーバーな

河村旋風 納税者の反旗と恐れよ

【河村たかし名古屋市長の望んだ通りの結果となった名古屋でのトリプル投票。候補者を擁立して河村氏の陣営に挑み、惨敗した民主、自民両党などの既成政党は、有権者の批判にどう応えるのか。

 愛知県知事選、名古屋市長選、市議会解散の是非を問う住民投票のトリプル投票を吹き抜けた「河村旋風」は、投開票から一夜明けて中央政界をも揺さぶった。

 最も大きな打撃を受けるのが与党民主党だろう。愛知県は二〇〇九年衆院選で全十五小選挙区を制した「民主王国」。

 その牙城で、民主党推薦の県知事選候補は当選した大村秀章氏のみならず、自民党の県連推薦候補の後塵(こうじん)をも拝する惨敗を喫した。元衆院議員を擁立した市長選でも河村氏に最多得票を許した。

 もちろん地域独自の選挙事情はあろう。しかし、本紙出口調査によると市長選で民主党支持層の77%が河村氏に、県知事選では57%が大村氏に投票したという。民主党離れが明確に読み取れる。

 歴史的な政権交代から一年半。政治主導や無駄な事業見直しによる財源捻出、緊密で対等な日米関係などマニフェストの約束は、ことごとく反故(ほご)にされてきた。

 無駄の削減を早々に諦め、消費税率引き上げ論議にシフトするありさまだ。にもかかわらず、菅直人首相ら政権中枢から真摯(しんし)な反省を聞くことはない。

 枝野幸男官房長官は「政権の行っていることが国民に十分伝わっていない」と敗因を口にしたが、伝わらないことではなく、行っていること自体が問題なのだ。

 自民党も安閑としてはいられない。知事選は事実上の分裂選挙となり、市長選は候補を擁立できなかった。県知事選の候補が民主党候補を上回ったことは朗報だろうが、敗因に「私どもに対する閉塞(へいそく)感があった」(大島理森副総裁)ことは否定のしようがない。

 減税と議員報酬引き下げというトリプル投票の争点は、そのまま国政の課題とも重なり合う。

 民主、自民という二大政党がそろって増税路線をひた走り、昨年の参院選で各党が声をからして訴えた国会議員自らが身を削る話も雲散霧消している。

 国、地方を問わず、税金の集め方や使い道に対する目はより厳しくなった。

 既成政党は、トリプル投票の結果を納税者の反旗と恐れ、身を正さねばならない。さもなければ国民の政党離れが加速し、いずれ見放されることになる

>もちろん地域独自の選挙事情はあろう。しかし、本紙出口調査によると市長選で民主党支持層の77%が河村氏に、県知事選では57%が大村氏に投票したという。民主党離れが明確に読み取れる

 私が思うに、愛知県が「民主王国」となった理由は、この「地域独自の事情」とやらにあるんじゃないでしょうかね?また今回、河村・大村両氏が勝利したのも、実はその延長線上の出来事に過ぎないのではないのか、とも。

>既成政党は、トリプル投票の結果を納税者の反旗と恐れ、身を正さねばならない。さもなければ国民の政党離れが加速し、いずれ見放されることになる

 そりゃあ、マニフェストを悉く反故にする民主党政権はどうしようもないクズですし(ただしそうなる事は政権交代以前の段階で判り切っていたんですが)、このご時世に「税金をもっと払いたい!」なんて奇特なヤツはいないでしょうよ。ただ、「税金を払いたくない」という一心から成った(と考えるのが一番自然ではないかと思われる)愛知県・名古屋市民の選択を取り上げてのこの言い草は、少々話を広げすぎではありませんか?

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