歴史は繰り返す…かも?
【■悔やむ民主側「ヒールになってしまった」
「どえりゃあ面白い名古屋にする」-。6日、投開票された愛知県知事選と名古屋市の出直し市長選、市議会解散の賛否を問う住民投票で「3戦全勝」を果たした大村秀章氏(50)と河村たかし氏(62)は、自らが率いた地域政党の勝利の意義を改めて強調した。有権者が既成政党に「ノー」を突きつけた“中京の乱”は、4月の統一地方選にも影響を与えそうだ。
投票終了直後の午後8時すぎ、報道各社が河村、大村両氏側の「完全勝利」を速報すると、名古屋市内にあるそれぞれの選挙事務所では、詰めかけた支持者らが歓声を上げた。
中日ドラゴンズの帽子をかぶって登場した河村氏は「どえりゃあ面白い名古屋にする。名古屋の名物は手羽先だけじゃない。民主主義を名物にする」と独特の語り口で声を張り上げ、「議会は選挙で示された市民の明確な民意を受け止めにゃあいかん」と、圧勝を背景に強気の“河村節”を炸裂(さくれつ)させた。
自転車で街中を駆け巡って「改革」をアピールしてきた河村氏。“戦友”の自転車にまたがり、衆院議員時代から恒例の支援者にバケツで水を掛けられるパフォーマンスを披露。真冬にもかかわらず、8杯を一気にかぶり、喝采を博した。
大村氏も事務所で支持者とバンザイ。「今日、日本の歴史が変わりました」と絶叫した。
それぞれの事務所で支持者と喜びを分かち合った両氏は、共同会見場となった名古屋市内のホテルで合流。肩を抱き合いながらがっちりと握手を交わした。
会見で河村氏は、今後の出直し市議選、県議選を「桶狭間の戦いと同じくらい価値がある」と表現。地域政党「減税日本」で市議会での過半数獲得を目指す意向を強調する一方で、将来的な首相への意欲もチラリ。大村氏は「どえりゃあ面白いことができる総本山にしたい」と話した。
両者はまた、中京都創設などを掲げた「アイチ・ナゴヤ共同マニフェスト(選挙公約)」実現に向け、市・県と民間による「中京独立戦略本部」を近く発足させる方針を明らかにした。
県民税・市民税の10%恒久減税や、県と市を一体的に強化する「中京都構想」を掲げてタッグを組んだ両氏。河村氏は「減税日本」、大村氏は「日本一愛知の会」という地域政党を立ち上げ、既成政党と対峙(たいじ)。河村氏は、大村氏の応援でたびたび名古屋市外にも足を運ぶ余裕もみせた。
一方、県内で国会議員24人を擁して「王国」を築いてきた民主。しかし知事選、名古屋市長選に完敗、県政、市政とも「野党」に転じることとなった。名古屋市長選で河村氏に敗れた前衆院議員の石田芳弘氏(65)は6日夜、健闘をたたえる拍手に迎えられながら、名古屋市中区の事務所に到着。「市議がヒール役(悪役)、自分がその代表ととらえられてしまった」と悔しさをにじませた】
私個人としては愛知名古屋には何の縁もございませんので、誰が首長になろうが別にどうでもいいのですけど、一言言わせてもらえるならば、今回の名古屋トリプル投票には民主党が政権交代を成し遂げた先の衆院選とよく似たニオイが感じられます。
そもそも、何が河村・大村両氏を押し上げたのでしょうか。巷では「政策が有権者を捉えた」だの「既存政党が国民の信頼を得ていないからだ」などと言われているようですが、しかしちょっと調べてみると「減税日本」の掲げている政策は「市民税10%減税」「地域委員会創設」「議員報酬半減」とわずかに3つ、上の記事中にある「アイチ・ナゴヤ共同マニフェスト」とやらも、中身は具体的な補填財源の説明がないなど、何となく民主党のマニフェストを彷彿とさせる、「じっくり中身を吟味する」といった性格のものではないように思われました。判断材料がこれしかないとあっては、今回の結果は主として「減税を軸にした河村氏の手法に有権者が釣られただけの事」としか言えないような気がするのですが…。
まぁ、私も既存政党(特に民主)の肩を持ちたいわけではありませんし、民主主義っては欠点としてそういうところがありがちですから、愛知名古屋の皆さんに対して「やっぱり『民主王国』なんて呼ばれてるような、中日新聞如きが圧倒的シェアを誇っているような地域に住んでる人々はアレなんですなぁ」などと言うつもりは毛頭ありません(笑)。ただ、昨今多くの国民が抱いているであろう「民主党に裏切られた!」という想い、あの想いを今後、愛知名古屋の皆さんが河村・大村両氏に対して感じるような事にならなければいいなぁ、と願うところではあります。
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