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2011年2月 1日

支援者が地団駄

東京新聞「筆洗」2/1付

【西松建設(東京都港区)の本社に、東京地検特捜部の捜索が入ったのは二〇〇八年の六月だった。そこが出発点になった民主党の小沢一郎元代表をめぐる政治資金規正法違反事件の捜査はきのう、検察審査会の議決を受けた強制起訴で終結した▼捜査終了まで約二年七カ月。強制起訴は検察の意向ではなかったにしても、これほどの期間、政局に影響を及ぼした捜査は珍しい▼元官房長官らを在宅起訴したリクルート事件は、最初の強制捜査から捜査終結まで約八カ月。茨城、宮城両県の知事や大手建設会社の幹部を摘発したゼネコン汚職は、端緒となった一九九三年三月の金丸信自民党元副総裁の脱税事件から、元建設相のあっせん収賄罪の立件まで約一年だった▼建設会社から資金提供があったと決めつけ、確たる裏付けがないまま、小沢氏の秘書だった国会議員を逮捕した手法は、特捜検察の“劣化”を象徴している。検察が不起訴にせざるを得なかった小沢氏が強制起訴されたことで、信頼は一層揺らいだ▼小沢氏の刑事訴追の舞台は法廷に移るが、国会の場で自ら積極的に釈明する機会をつくろうとしなかった小沢氏には失望した。「無実」を訴えた言葉も、メモの棒読みで心に響かなかった国会はまた「政治とカネ」一色になるだろう。国会の審議がむなしく空転する場面を想像すると、暗たんたる気分になる

 小沢被告に「失望」し、弁明も「心に響かなかった」と述べながら、検察批判・野党批判も忘れてません(笑)。これまで一生懸命自民党の政治家の「政治とカネ」問題を批判してきた方々に、「この問題で国会審議が空転する場面を想像すると…」とか言われましてもねぇ?

東京新聞社説2/1~小沢氏強制起訴 「無実」なら説明厭うな

【民主党の小沢一郎元代表が強制起訴され、政治資金問題は法廷の場で白黒の決着がつけられることになった。「無実」を主張するなら、国会でも説明を尽くすことが政治家に課せられる責務だ。

 検察審査会制度によって強制起訴された政治家は、小沢氏が初めてである。昨年九月に市民で構成する検察審が「起訴すべきだ」と議決しており、起訴は時間の問題だった。政権与党の大物議員が刑事被告人となったことは、政治的にも意味が重い。

 政治資金規正法違反に問われた起訴事実は、小沢氏の資金管理団体「陸山会」が二〇〇四年に購入した土地に絡んだものだ。小沢氏からの借入金四億円を収入として計上せず、土地取得の支出について、〇四年分と〇五年分の政治資金収支報告書に虚偽の記入をしたとの内容に集約される。

 会計責任者の元秘書らと共謀関係にあったとされるが、小沢氏は「潔白だ」と一貫して訴えている。公判でも無罪主張するのは間違いない。検察官役を務める指定弁護士との間で、全面対決となるのは必至といえる。

 新しい検察審の仕組みについて「法廷で黒白をつけようとする制度」と検察審の議決書に書かれていた。市民が求めたのは、無罪なのか、有罪なのかの法廷決着である点を重視すべきである。「推定無罪」の大原則が働いていることを忘れてはならない。

 検察は二回にわたり、「不起訴」の判断をしており、有罪の立証には難しさが伴うことも予想される。冷静に裁判を見守りたい。

 強制起訴を契機に小沢氏に対し、離党や議員辞職を迫る動きが加速しよう。菅直人首相も年頭の記者会見で、自発的な離党あるいは辞職を促す発言をしたが、政治的思惑が先走ってはならない。小沢氏本人が今後、国会審議や党運営に迷惑がかかると判断すれば、離党という選択もあろう。

 ただし、小沢氏は重い政治責任を負っていることも自覚してほしい。陸山会の土地取引問題では、その原資について、小沢氏の説明が二転三転した。この事件とは別に、一昨年の衆院選時、陸山会が九十一人の候補者に分配した多額資金には、旧新生党解党時の残金が含まれていたようだ。

 不透明な「政治とカネ」への国民の目は厳しい。小沢氏が「出る」と言った政治倫理審査会でもまだ声が聞けない。国会の場で説明を厭(いと)う姿勢を見せれば、政治家としての信用にさらに傷がつく

 一応主要新聞社の社説をチェックしましたが、未だに「『推定無罪』が大原則だ!」とかバッチリ書いちゃってるのはここと変態くらいですね。まぁたとえ無罪判決が出たとしても、国民に対し自ら進んで疑念を晴らす、「悪魔の証明」レベルの努力をしない限り、支援者以外からの政治家としての信用はこれっぽっちも戻らないでしょうな。もう既に「さらなる傷が心配」とかいう部分は通り越していると思いますよ?

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