「仕事しろよカスゴミが」
情報デモクラシー2011:尖閣映像流出の真意は 一色元海上保安官にインタビュー
【本紙「情報デモクラシー2011 ウィキリークスのある社会(3)」に掲載した一色正春・元海上保安官(44)のインタビューの詳細を収録しました。インタビューは2月9日に行われました。
Q 尖閣諸島沖の中国漁船衝突映像を公表しようと思ったのはなぜですか。
A あまり偉そうに言う立場ではないですが、こういうことはマスコミ、もしくは政治家のお仕事ではないでしょうか。(公表を)誰もやらない。目の前に「モノ」がある。結局は自分でやるしかないなと。隠す意味のない映像です。あれを見て考えてほしいと思った。しかし、(ユーチューブに)出たとたん「秘密だから漏えいするのは悪い」という本質と違った方向に論点がどんどんずれていったのは残念でした。
Q 本質とは。
A あの海で何が起きているかを知って、考えてほしいということです。世界の中で、中国や自分の国が何をしているのか。百聞は一見にしかず、です。
Q 映像を公表しようと決断したのはいつですか。
A 何月何日と簡単に表せるものではない。やめとうこうか、どうしようか、葛藤はありました。話し出すと2時間くらいあっという間にたってしまう。徐々に変わっていったということですね。
Q 1人で決断した。
A そうです。
Q 何が一色さんを突き動かしたのでしょうか。
A 海上保安官としてやってはならないこととは分かっていました。しかし、憲法には公務員は「全体の奉仕者」とも書いてある。組織のルールを守れば国のためにならないし、国のためを思えば組織のルールに反する。ジレンマはありました。どちらが重要か。最後は私の価値観に従いました。それが正しいかどうかは分かりませんが、そう信じてやりました。結局、国民に判断材料がない。それはあかんやろと。これがほんまのことや。どうぞ見てください、と。あれを見て「日本が悪い」という人も中にはおるでしょう。私は同調しませんが、それはそれで、その人の意見ですからね。どういう意見を持つかは自由です。人の考えを無理やり変えるつもりはないです。
Q それぞれ個人で考えたらいいじゃないかと。
A あれを見て何とも思わなかったら、日本はそういう国。「おかしいやないか」という人が多かったら、そういう方向に行けばいい。それが民主主義というもんでしょう。目と耳をふさいで「どうだ」と言われても国民として判断できない。(以下略)】
そう言えば衝突事故の映像が流出した後、ツイッターで「内部告発、情報提供よろず受けます」「マスコミを上手に使って内部告発をすることも考えてほしい」などと発信していたアサヒ新聞の記者がおりましたな。ソイツといい、このインタビューを行った記者といい、お前らが普段から自分たちの役割を果たしてこなかったからこそ今回の騒動は起きたのだ、という事を認識してほしいものです。
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