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2011年6月24日

東京新聞社説6/24~夢を見ていたのだと

沖縄慰霊そして普天間 他策ナカリシカ

【「沖縄慰霊の日」直前、日米両政府は米軍普天間飛行場の沖縄県内移設を再確認した。基地に基地を重ねる負担の押し付け。本当に「他策」はないのか。

 沖縄本島南部の糸満市摩文仁。その丘から見える海岸に波が打ち寄せている。太平洋戦争末期の沖縄戦で、最後の激戦地だったのがうそのように、穏やかに。

 一九四五年六月二十三日は、日本軍による組織的な戦闘が終わった日だ。沖縄県はこの日を「慰霊の日」と定め、この激戦地跡に造った平和祈念公園で毎年、沖縄全戦没者追悼式を営む。菅直人首相も昨年に続き、出席した。

◆絵空事の県内移設

 「東日本大震災、原発事故の中で慰霊の日を迎えることは感慨を覚える。沖縄には基地が集中し、皆さんに負担をおかけしている。沖縄だけ負担軽減が遅れていることは慚愧(ざんき)に堪えない。今後、危険性の除去に最大限努力する」

 首相は仲井真弘多県知事に続きこうあいさつした。もっともらしく聞こえるが、今は空疎に響く。

 首相就任後の一年間、沖縄県民の基地負担軽減にどれだけ尽力したのか。東日本大震災への対応に一定のめどがつけば辞めると宣言した首相が基地問題で努力できたとしたら奇跡に近い。

 世界で最も危険な飛行場と米軍トップも認めた普天間飛行場の返還のためとはいえ、在日米軍基地の約75%が集中する沖縄県に、新たな基地を造ることは、さらに重い基地負担を強いることになる。

 日々の騒音、相次ぐ事故や米兵による犯罪、そして何よりも、米軍の戦争に手を貸す心理的重圧。

 移設先とされた辺野古地区のある名護市をはじめ、公有水面埋め立ての許可権を握る沖縄県知事まで反対する中で、新基地建設を強行しようとしても、できるものではない。仲井真知事が「絵空事」と言うのも、もっともだ。

◆新シナリオ描こう

 米連邦議会内で辺野古への移設を全面的に見直し、これまでにも検討され、排除されてきた米空軍嘉手納基地への統合案が再浮上したのも、県民らの反対で辺野古移設が容易でないことを示す。

 にもかかわらず、日米両政府は辺野古への県内移設を変えようとしなかった。ましてや外務、防衛担当閣僚がワシントンにそろい、辺野古移設の堅持を再確認したのは追悼式の前々日だ。沖縄へのあまりの配慮のなさに愕然(がくぜん)とする。

 菅首相や閣僚は日本国民たる沖縄県民と米政府のどちらを向いて仕事をしているのか。菅首相が鳩山由紀夫前首相のように逆らわずに米政府の歓心を買い、政権延命の材料になり得る九月の米国訪問を取り付けたとは言い過ぎか。

 もちろん、普天間飛行場の固定化は避けねばならない。早期返還にこぎ着け、周辺住民の危険を取り除く必要があるのは当然だ。

 そのためにも、実現可能性が限りなく低下した辺野古移設に固執するよりも、国外・県外移設の本格的検討に力を注ぐべきだ。

 遅きに失した感はあるが、アジア・太平洋地域の安全保障と、沖縄の基地負担軽減を両立させるシナリオを描き直してはどうか。

 北沢俊美防衛相は記者会見で、自民党政権時代と同じ辺野古移設に回帰したことについて「もし時間のロスだという論評があるとすれば、それは政権交代に基づく民主主義のコストだ」と述べた。

 だったら、政権交代など必要ない。直ちに下野すべきだ。民主主義を愚弄(ぐろう)するにも程がある。政治家のこういう発言が、政治への国民の信頼を著しく損ねるという自覚がないと厳しく指摘したい。

 九四年のきのう、病躯(びょうく)を押して一人の国際政治学者が、平和祈念公園に隣接する国立沖縄戦没者墓苑を参拝した。

 若泉敬氏。沖縄返還交渉で当時の佐藤栄作首相の密使として米側との極秘交渉に当たった人物だ。この沖縄訪問の一カ月前に出版した著書「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」で、沖縄への核再持ち込みを認める密約の存在を明かした。

 書名からは、沖縄返還を実現するには密約を結ぶしか策はなかったとの信念がうかがえる。

 同時に、日本復帰後も沖縄の米軍基地負担が一向に減らない現実と、日本政府の無策に、絶望的な思いを抱いていた。若泉氏の度重なる参拝は「沖縄県民に謝罪する」ためだったと、大田昌秀元沖縄県知事は国会で述べている。

◆愚者の楽園脱せよ

 沖縄の痛みに無関心なまま平和を享受する日本の姿を、若泉氏は「愚者の楽園」と呼んだ。

 政治家も官僚も国民、特に本土に住む私たちも、この指摘を重く受け止めるべきだろう。

 本当に辺野古移設しか策はないのか。真剣な検討や米側とのぎりぎりの交渉抜きで策なしと結論づけるのなら、惰眠をむさぼっているのと同じである

 「ムダ根絶」「消費税は上げない」「子ども手当」「高速道路無料化及びガソリン税等廃止」「農家の戸別所得補償」「財源は埋蔵金で何とかなる」…前回の衆院選の折、民主党が掲げた様々なサギ…マニフェストに釣…信じて政権交代に手を貸したバカ…バカは大勢いましたが、結局そのほとんどは夢と消えそうであります。彼らの多くは「民主党に騙された!」と感じている事でしょう…自らの不明を恥じる事もなく。

 この「沖縄の在日米軍基地移転」というのも同じくマニフェストの一部であったワケなのに、これだけが実現するというのもどうにも考えにくい話です。ましてこの件は、自民党政権とアメリカがこれまで何度も交渉を行って、少しずつ積み上げてきたものをすべてひっくり返そうというのですから、逆に実現性は低いと言わざるを得ないでしょう。「基地移転」というウソを信じてしまった方々も、この期に及んでは、いい加減夢から覚める頃合いなのではないですか?

>沖縄の痛みに無関心なまま平和を享受する日本の姿を、若泉氏は「愚者の楽園」と呼んだ

 現実を顧みず、お花畑の中から妄言を垂れ流し続けるサヨメディアが、それでもメシ食っていける日本は確かに「愚者の楽園」と言えるでしょうね。

>本当に辺野古移設しか策はないのか。真剣な検討や米側とのぎりぎりの交渉抜きで策なしと結論づけるのなら、惰眠をむさぼっているのと同じである

 単に「基地がなくなればそれでいい」というお花畑のサヨクに対して、国家というものは国民の安全について責任を負う立場からものを考えなければならないのですよ。寝言レベルの事を言ってるのはどちらですかな?

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