東京新聞社説6/29~誰が為の議論か
【東京電力の株主総会で株主提案の「脱原発」が論議された。否決はされたが、深刻な事故は株主の脱原発の議決権行使を確実に増やしている。なお原発に頼るのか。全国民で論議を重ねたい。
一向に事故の収束が見通せない東京電力の福島第一原発。関東、中部地方などにも広がる放射能汚染。総会に出席した株主は昨年のほぼ三倍、一気に九千二百人に膨らんだ。未曽有の事故が株主の関心を呼び起こしたようだ。
しかし、東電の勝俣恒久会長らは「史上まれな巨大地震や津波の影響で事故を起こしてしまった」を繰り返し、国民が関心を強める脱原発と正面から向き合うことはなかった。
個人株主四百二人が提出した「古い原発から停止・廃炉」「新増設はしない」との定款変更議案を、脱原発は定款ではなく業務を執行する取締役会に委ねるべき案件と、手続き論で葬った。
原発を電力事業にどう位置づけるべきか。これも「国のエネルギー政策の議論などを踏まえ検討する」と、自らの判断を示さず政府頼みを色濃くにじませた。
東電には福島の廃炉費用、火力発電の追加燃料費、避難住民への損害賠償などを合わせ、十兆円規模の負担がのしかかる。
二〇一一年三月期末の東電の純資産は一兆六千億円。東電救済策ともいわれる国の原発賠償支援法案が成立しなければ、債務超過に直面する。徹底したリストラで法案を成立させ、東電の生き残りを図りたいようだが、果たしてそれだけで前に進めるのか。
法案が成立すれば、原発事業を営む電力各社が負担金を拠出して東電の経営を支え合う道が見えてくるが、まずは漏えいが続く放射性物質の封じ込めが先決だ。
そのうえで、原発なしで電力会社は存立しえないかを探る。東電には自然エネルギー買い取りの実績が蓄積されており、それを生かし電力の安定供給を担う公営企業として本格導入を検討すべきだ。
静岡県の浜岡原発の全面停止を余儀なくされた中部電力の株主総会にも、昨年を千人以上も上回る約二千七百人が出席した。ふるさとを追われ、いつ帰れるか分からない十五万人もの人々の悲惨な状況に思いを寄せ、脱原発を噴出させたのだろう。
世界の原発は約四百基。その1%、四基の事故で国内外の大気や海が放射能に汚染された。原発の安全神話を問い直し、国民的規模で脱原発の論議を深めるときだ】
しかし東電でも中電でも、「脱原発」提案は反対多数で否決されましたからねぇ。このテの「脱原発」に関してこのブログでは、「日本も国民投票をしてどうするか決めよう!」と主張される方々はそのほとんどが「原発さえなくなればそれでいい」というような考えの持ち主であり、国民投票も「多くの国民が脱原発を選んだのだ!」という「錦の御旗」がほしいだけなんだろうと解釈してますけど、こういう皆さん、特に東京新聞をはじめとする反原発メディアは、仮に国民投票で「原発維持」という意思が示された場合、それにちゃんと従うんでしょうかね?まぁ期待薄ですけど。
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