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2011年7月14日

東京新聞コラム7/14~愚かさは支持者が背負う

東京新聞「筆洗」7/14付

『気分はもう戦争』などの作品で知られる作家の矢作俊彦さんが、ツイッター上でつぶやいた内容が話題になっている。<無能かもしれない。性格が悪いかもしれない。しかし決して愚かではない。延命のために何をすればよいかを彼は知っている>▼もちろん、菅直人首相のことだ。<延命のためにのみ、原発をひとつ止められたのである。あと150日延命できるなら、全部止めるかもしれない>。「脱原発」を本当に実現するためにあえて首相を支持するという▼<その賤(いや)しさ、さもしさのみを信じて。その性格ゆえ、彼ひとりが出来るかもしれないのだ>。矢作さんの主張は逆説的であるが故に、説得力も感じる▼ペテン師と呼ばれても、延命しか考えていないと批判されてもへっちゃらな人だからこそ、原子力ムラのしがらみをぶち破れる。だから、矢作さんは<一切に鼻をつまんで>菅首相を支持するという▼こうした声に呼応するかのように、菅首相はきのうの記者会見で、計画的、段階的に原発依存度を下げ、将来は原発がなくてもきちんとやっていける社会を目指す方向を打ち出した。早い時期の退陣は頭にないように見える▼<鼻をつまんで>首相を支持するのか。退陣表明した首相の独走は、逆に脱原発の妨げになると批判するのか。脱原発を支持する人たちも、選択を迫られる時が来るかもしれない】

 この期に及んで空き缶を信じようという国民がいるとは…アホとかいう以前にもはや害悪ですよ。昨日の「脱原発」表明会見も、看板だけで具体論は何もありませんでしたし、また空き缶、いや民主党政権のこれまでの体たらくを思えば、連中に広げた大風呂敷を畳める力がまったく備わっていない事は明白なのですが。空き缶がこのまま居座って、万に一つ、あるいは億に一つくらいで原発の停止は成るかも知れませんが、それと引き換えに失われるものの方が遥かに大きいような気がしてなりません。その場しのぎや自身の延命にのみ力を注ぐ政治家など、「愚か」以外の何物でもないと思うのですけど、それでも「しかし決して愚かではない」などと言える人間がいるならば、その愚かさはきっとその者が引き受けているのでしょうね?

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