東京新聞コラム7/22~拉致被害者より民主党政権が大事ですか?
【奥州伊達藩のお家騒動を描いた歌舞伎『伽羅(めいぼく)先代萩(せんだいはぎ)』。その登場人物、乳人(めのと)政岡は、女形最高の大役ともいわれる▼芝居の中で、主君への忠義のために、幼いわが子を見殺しにする政岡。無論、したくてしたことではない。一人になって「ああ、なんて親なのだ」と、こらえにこらえ、押し隠していた悲嘆を露(あら)わにする場面で、こう言う。「三千世界に子を持った親の心は皆一つ」▼どれほど広い世界でも、親の子を思う心は…。そう思いたい。そう思いたいけれど、そうとは言いきれない現実が、残念だが、ある。例えば、食べ物も与えず、子を餓死させてしまうといったケースが後を絶たない。同じ、わが子を死なせるのでも、政岡の場合より、よほどむごい▼厚生労働省によると、昨年度、全国の児童相談所に寄せられた児童虐待の通報や相談の件数が初めて五万件を超えたのだという。前年度より三割近く増えた。虐待への意識の高まりで通報されやすくなったともされるが、虐待自体が増えていないという証拠もない▼無論、わが子を思わぬ<親の心>こそ問題だ。だが、母性や父性の劣化だと片付けては、状況は変わるまい。未熟な親をも支えるような、人のつながり、社会の懐の深さが失われてきていることに思いを致すべきだろう▼高止まりする自殺者数も、孤独死の増加も、みな、つながっている気がする】
去る21日、参院予算委員会に拉致被害者家族会の増元照明氏が参考人として出席し、空き缶に対して説明や指導力の発揮を求める場面がありました。私もラジオで傍聴していたのですが、あれはまさに東京新聞が上のコラムで述べているところの「肉親の心」「人のつながり」の発露であったと思うのです。しかし東京新聞は昨日からの紙面において、国会内で増元氏がそのような発言をした事について一言たりとも記述せず、また拉致問題とは深い関係が疑われる空き缶の不適切な献金疑惑についても、補正予算関連の記事の中で2、3度申し訳程度に触れただけという体たらくです。コラムでは随分偉そうなことを言っているように感じるんですがねぇ…?
>人のつながり、社会の懐の深さが失われてきていることに思いを致すべきだろう
増元氏の思いを、(おそらくは「報道すると民主党政権にとって都合が悪いから」という理由で)社会につなげる事無く葬り去ろうとしている連中が、よくもまぁこんな事を言えるもんです。お前らの都合がそういうものを社会から失わせているんじゃないんですか?
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