毎日新聞社説7/25~お前が言うなよ変態
【取材モラルを逸脱した大衆紙の暴走が英国に衝撃を与えている。一般市民を含む4000人を対象に電話盗聴で情報を集めていたとされる日曜大衆紙「ニューズ・オブ・ザ・ワールド」が廃刊に追い込まれた。オーナーのルパート・マードック氏は派手な買収で英米の有力メディアを手中に収め、メディア王の異名をとる。政権トップに強い影響力を持ってきた寡占メディアの支配者と政界との癒着が、民主的で自由な英国社会をゆがめてはこなかったか。突きつけられた問いは深刻だ。
英国の新聞は「タイムズ」をはじめとする数十万部程度が中心のいくつかの高級紙と、300万前後の大部数を売る「サン」「ニューズ・オブ・ザ・ワールド」などの大衆紙に二分される。国の重要政策や国際問題などの深い分析・評論でインテリ層を中心に読まれる高級紙とは対照的に、大衆紙は有名人のゴシップを売り物に派手な見出しで激しい特ダネ競争を展開している。サン、ワールド両紙のオーナーのマードック氏は30年前に経営難のタイムズ紙を買収したほか、米国でも「フォックステレビ」「ウォールストリート・ジャーナル」を傘下に置く。
英国の大衆紙は高級紙とは一線を画す報道で存在感を示してきた。下世話で扇情的すぎるとの批判はあるものの、政権や王室といった権力、権威にタブーなく立ち向かう姿勢は読者から支持を得ている。だが、私立探偵を使って不正に携帯電話の暗証番号を入手するという今回のワールド紙の取材手法は、知る権利のはき違えでしかない。盗聴された中に誘拐殺人事件被害者の13歳の少女、イラク戦争で戦死した英兵やテロ事件の犠牲者の遺族らも含まれていたことで、世論は憤激した。
ワールド紙では数年前に王室関係者への盗聴事件で記者が逮捕され、コールソン編集長が辞任する事件を起こしている。マードック氏と親しいキャメロン首相は10年に政権につくとそのコールソン氏を官邸報道局長に起用したが、同氏が盗聴問題にからんで今回逮捕(その後保釈)されたことで、首相判断の背後にマードック氏の影がなかったのかどうかにも、世論の厳しい視線が注がれている。
タイムズ紙のウィッカム・スティード元編集長は1938年に著した「理想の新聞」(みすず書房、浅井泰範訳)で「新聞が忠誠を誓う対象は、一般の人々であって、政府や官憲といった権威ではない」と書いている。大衆の味方だったはずの大衆紙が大衆を裏切り、一般の人々を敵に回したのが今回のワールド紙の事件だ。廃刊によって168年の伝統を捨てるという代償は、自ら招いたものといえるだろう】
インターネットの自社サイト英語版で、少なくとも9年以上、日本人に対する誤解を招くような記事を全世界に向けて配信していた毎日変態新聞が、どの口でモラルとか「大衆への裏切り」とかのたまうんですか?不動産業での収入がなかったら、とっくの昔に「ニューズ・オブ・ザ・ワールド」と同じ道を辿ってたでしょうに…まぁ、そうなる日も決して遠くないと思いますが。
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