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2011年9月21日

東京新聞社説9/21~被害拡大の責任は

大雨台風 過去の教訓を忘れずに

【十一年前の「東海豪雨」の恐怖がよみがえった。台風15号の影響による大雨で河川が急に増水し、避難指示や勧告が相次いだ。都市型水害も怖い。かつての教訓を生かし、万全を期そう。

 紀伊半島を中心に大きな被害をもたらした台風12号に続き、台風15号が大雨を伴い襲ってきた。

 二十一日昼ごろ東海地方に最接近と予想されたが、すでに二十日早朝、愛知県岡崎市で七七・八ミリの時間雨量を記録した。

 岐阜県で土岐川、愛知県で庄内川と呼ばれる一級河川、名古屋市東部の天白川はいずれも水位が危険状態に達した。同市守山区で道路に水があふれて車が水没した。両川流域の名古屋市をはじめ両県の住民約百万人以上を対象に、避難指示や勧告が出された。

 二〇〇〇年九月の「東海豪雨」では、庄内川から洗堰(あらいぜき)で水を分流する新川左岸が決壊、庄内川、天白川でも越水し、大規模な浸水被害があった。洗堰は増水を減らす施設である。都市型水害の典型だ。また三年前の〇八年八月には、岡崎市を時間雨量一四六・五ミリの猛烈な局地集中豪雨が襲い、犠牲者も出ている。

 庄内川と天白川の流域は、東海豪雨が激甚災害に指定されて、特別対策事業がすでに施工済みである。洗堰のかさ上げ、雨水貯留施設の新設、市街地に溢(あふ)れる内水を川へ排出するポンプの増強などである。

 だが今回の大雨と市街地などの浸水の実情を見ると、繰り返す自然の猛威に、ハード面の対策はもちろん進めなければならないが、事業費や時間の制約を考えると、万全といえるまでにするのは難しい。それは東日本大震災で、壊れるはずのない巨大防波堤が次々に壊れた事実とも共通する。

 百万人以上を対象に避難指示、勧告が出されたのは珍しい。だが近年の降雨の推移、特に集中豪雨の降り方をみれば、決してオーバーではない。

 〇四年七月の新潟・福島豪雨では、堤防が決壊したり、家屋が浸水し始めてからやっと避難勧告を出した前例もある。東京でも〇八年八月、ゲリラ豪雨で下水道管の水位が急に上がり、中で工事中の作業員が死亡という思わぬ犠牲者が出たことがあった。

 大雨台風は関東地方にも近づく。12号の傷痕が残る奈良、和歌山、三重県などの土砂災害の危険も去っていない。自治体も住民も気をゆるめてはならない】

 今年は何かの当たり年なのか、例年以上に自然災害が相次いで、「影響を全く受けていない」という人はおそらく国内にはいないでしょうね。しかし、今年これだけ被害が出ている一因には、昨今よく聞かれていた「公共事業悪玉論」によって、耐震事業や堤防整備に回すべき予算が縮小されている事などがあったりはしませんでしょうか?これについては、まずは「コンクリートから人へ」とかいうフレーズで、己のバラマキ政策のためにスーパー堤防などの公共事業費を仕分けしまくった民主党と、「国の借金がどうたら~」と公共事業悪玉キャンペーンを張り、民主党政権の成立にも加担したマスゴミに責任があると思うのですけど。東京新聞さん、アンタも間違いなく片棒担いでましたよね?

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