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2011年9月 8日

東京新聞社説9/8~脱原発の見通しが甘すぎる

電力制限解除 脱原発で省エネ強化を

【東京電力と東北電力管内の電力使用制限令が九日解除される。原発事故で失った電力を節電が補い、停電回避にめどがついたためだ。この流れを省エネの技術革新につなげ、脱原発を果たしたい。

 驚異とさえ表現できる節電といえるだろう。この夏、東電管内の電力消費は前年に比べ連日九百万~一千万キロワット下回った。実に中型の原発十基分にも相当する。

 浜岡原発を停止した中部電力管内では原発一基分、百万キロワットを節約した。家庭の節電に加え、消費電力がピークを越えて停電を招かぬよう、自動車業界が電力消費の少ない土、日曜操業に振り替えたことが主因だ。

 東電福島第一原発の事故を境に定期点検で停止した原発は再開のめどが立っていない。経済界から「停止が長引けば工場を海外に移さざるを得なくなる」と脅しともとれる不満が聞こえてくるが、経団連や日本商工会議所に深刻な事態が報告された形跡はない。なぜ、放射性物質をまき散らす危険性が潜む原発にこだわるのか。

 東電、東北電管内の大口需要者に前年比15%の削減を義務づけた政府の制限令発動を機に、電力不足の不安を抱える企業は節電に突っ走った。30%を超える企業も続出し、乾いたぞうきんを絞るどころか、大量の水があふれ出た。

 無駄な電力を減らせばコスト削減で利益が膨らむ。省電力の余地があることに気づいた企業は空調の自動制御機器などを導入し業績改善につなげた。そこに日本が目指す方向の手掛かりがある。

 国内の照明すべてを発光ダイオード(LED)に置き換えると、原発十三基分の電力が節約できるという。電力不足を和らげるハイテク製品であり、国境を越えたビジネス拡大の潜在力を秘める。

 野田佳彦首相は原発の新増設を「現実的に困難」と段階的に減らす考えを明らかにした。ならば電力の三割近くを頼ってきた原発を何に置き換えるのか。脱原発に向けたエネルギー政策の転換は日本の省エネ産業育成にも直結する。

 太陽光や風力など、再生可能エネルギーの技術力を高め、不安定な再生エネの需給を自動調整する送電網、スマートグリッドの開発も急がねばならない。電力供給の技術革新は欧米や韓国などがしのぎを削っており、悠長に構えていては出遅れる。

 首相は一刻も早く脱原発を決断し、それをバネに日本の省エネ技術の競争力向上を促して世界をリードする気概を示すときだ】

 「脱原発」が絡むと目の色が変わる東京新聞ですが、予想通りというか案の定というか、「脱原発」につなげるための都合のいい事しか書いていませんねぇ。例えば「無駄な電力を減らせばコスト削減で利益が膨らむ」、これはまぁ当たり前の事ですけど、節電の結果がどうこうと書くなら、「1時間当たりの制限値を超える電力を使用したら罰金最高100万円」という電力制限令を遵守するために、企業が必要な電力まで減らした事に伴う損失まで併せて判断するべきなんじゃないですか?

 「電力の三割近くを頼ってきた原発を何に置き換えるのか」というのも、常識的に考えれば自然エネルギーよりも火力など既存の発電能力の増強でしょう。例えばイタリアでは、チェルノブイリ事故後に国内の原発を全停止、以降23年間に渡って火力発電を主力に水力などを併用して電力をやりくりしてきました。国内の総発電量に占める自然エネルギーの割合は、日本のそれに比べて2倍ほどになるといいます。しかし、それでも電気が足りず、現状ではフランスから原発で作った(?)電力を輸入するなどし、産業用の電気料金はフランスの2倍ほどにもなっているのだとか。

 こうした例を見ても判るように、自然エネルギーはまだまだ別のエネルギーの代替手段たりえるレベルにはないのです。エネルギーの転換なんてのも、お花畑のサヨク脳がイメージするほど容易いものじゃないのですよ。まぁ、サヨクは「脱原発」がゴールなんでしょうけど、フツーの国民はその先を考えて行かなくてはなりませんのでね?

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