東京新聞コラム10/21~サボリが偉そうに
【大きな買い物になればなるほど、慎重になるのが普通だ。例えば、マイホームを買うのに「二階建て」の情報だけで決めろと言われて、できるわけがない▼最近、環太平洋連携協定(TPP)への参加をめぐる議論が喧(かまびす)しくなってきた。米国など参加国の域内は原則、関税撤廃という取り決めらしいが、これはいわば物件が「二階建て」という程度の情報▼「不参加なら輸出に頼る日本経済は沈没だ」と賛成派はいい、「参加すれば農業は壊滅する」と反対派はいう。反対派は「外資の参入で医療保険制度まで壊される」などの懸念も表明するが、賛成派は「交渉の対象外のことまで反対理由にされている部分がある」と▼実現に近づいた米韓自由貿易協定(FTA)についても、「日本が置いていかれる」と賛成派が韓国をうらやめば、反対派の中には「米国優位の協定で、韓国の交渉は惨敗」とし、TPP交渉での未来の日本の姿をダブらせる向きもある▼一体、どれが本当でどれが誤解で、何が杞憂(きゆう)で何が大丈夫なのか。まずそれをはっきりさせ、国民に知らしめるのが先決だ。価格も立地も間取りも外観も構造も知った上でなくては、家を買う、買わないの判断はできない▼米国にせっつかれたか、政府には参加への焦りも見える。だが「第二の開国」とも異名される大層な“買い物”。慎重であってしかるべきだ】
>一体、どれが本当でどれが誤解で、何が杞憂(きゆう)で何が大丈夫なのか。まずそれをはっきりさせ、国民に知らしめるのが先決だ
昨日のエントリにも書きましたけど、「何を今さら」という感じしかしません。TPPに関する論議は、もう1年以上前から続いているのですよ?そこから今日に至るまで、「国民に正確な情報を伝える事が責務」であるところのお前らマスコミは、一体何をやってたんです?過去の社説において、「新たな自由貿易網に果敢に加わるべき」「もはや各国がしのぎを削る自由貿易のネットワークづくりから目をそらしてはならない」などと述べてTPPに賛成する意志を示したのは、いかなる判断をもってしての事なんですか?
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