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2012年2月28日

東京新聞コラム2/28~「ゆとり」はサヨクが生んだワケで

東京新聞「筆洗」2/28付

【「口」という漢字に二画を足して漢字をつくろう、という遊びを小学校の児童たちとやってみた。田、目、由、申、白、四…。ここまではすんなり浮かんだが、後が続かない▼五、六年生からはどんどん出てくる。兄、旦、司、右、石、只、占、古、叶、甲…。パソコンで字を書くことに慣れてしまい、簡単な漢字が思い出せなくなっていることを痛感した▼指導してくれた小学校の先生がこう話してくれた。「自分のペースでやれば、勉強って本当は楽しいんですよ。ゆっくりでも頂上に立てる。人と比べるから嫌いになる。嫌いだとやらなくなるから、できなくなるんです」▼大学生の24%は「平均」の意味を正しく理解していない、というニュースがあった。日本数学会が実施した調査によると、基礎的な数学力や論理的に物を考える力に大きな課題があるという▼この種の調査で真っ先に犯人視されるのが「ゆとり教育」だが、「大学全入」の時代になり、以前は進学しなかった学力の生徒が増えていることや、入学者確保のために推薦入学などの門戸を広げたことが真相に近いのではないか▼総合学習を柱に自分のペースで学び、自ら考える力を養うことがゆとり教育の理念だったが、学力低下の大合唱を受け詰め込み教育に戻ってしまった。根拠が乏しいゆとり世代への非難は、もうそろそろやめにしませんか

 いやいや、確かにゆとり教育と学力低下のハッキリした関連性を示すデータはありませんけど、それでも昨今、日本の子どもたちの学力が低下しているというのは厳然たる事実ですよ?大学の乱立はその要因のひとつと言えるかも知れませんが、それでもゆとり教育への批判を止めるだけの根拠には乏しいでしょう。まぁ、ゆとり教育はサヨク仲間の日教組が提唱していただけに、擁護したいというのは判りますが…。

 あと、指導してくれた小学校の先生とやらの言葉ですが、「自分のペース」とか「ゆっくりでも頂上に」というのは、事件が無限にあればという前提での話ですよね?昨日取り上げた不適格教師の記事といい、思考が左巻きになる人間ってのは、どんな教師から教育を受けたか、ってのも関係あるんでしょうか?

【参考】中日新聞「中日春秋」2/28付

【例えば、誰かが職場に差し入れで、たこ焼きを買ってきてくれ、三人で食べようということになったとしよう

▼たこ焼きは十個。別に前相談せずとも、三人とも気兼ねなく三個までは食べるだろう。問題は四個目だ。あなたは迷う。「じゃあ私が」と手を出せば、無遠慮、食い意地の張ったやつだと思われかねない

▼「自分は三個でいい」とほかの二人が言いだすのを待つか。いや、三人のうち一人は先輩だ。「四個目をどうぞ」と自分から言いだすべきか。それとも、いっそ「最後の一個はじゃんけんで」と持ち掛けるか…

▼結局は、みなが同じように遠慮しあって一個は食べられずに残ったりもする。どこの職場でもありそうな光景だが、四個目が葛藤の対象となり得るのは、三人が「平均」を理解しているのが前提である

▼だから、少し心配になったのが、日本数学会が四十八大学の学生六千人を対象に行った数学基本調査の結果。四人に一人が、小学六年で教わる「平均」の考え方を尋ねる問題に正答できなかったのだという

▼ほかの問い、例えば「二次関数のグラフの特徴」を記述する問題ができなくても、将来入る会社で困ることは、まあ多分ない。だが「平均」は、まずい。あのケースで躊躇(ちゅうちょ)なく四個目のたこ焼きをほお張る新入社員を、先輩たちは「ははん平均を理解していないんだな」とは思ってくれない

 こちらはそもそも平均と関係のない話なのでは…。

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