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2012年2月 8日

仕事ができないなら消えろと

毎日新聞社説2/8~年金試算公開 こうして前進させよう

【迷走を重ねた末、民主党の新年金制度の試算が近く公表されることになった。税と社会保障の一体改革は待ったなしだ。議論の入り口にすらたどり着けず、不信と混迷を極めている責任はひとえに民主党にある。どうすれば一体改革が少しでも前進するか考えたい。

 「年金を一元化し、すべての人が月額7万円以上の年金を受け取れるようにする」というのが民主党の新年金制度案である。どのくらい財源が必要かは説明してこなかった。「政権を取ったらすぐに明らかにする」と言った幹部もいたが、政権に就いてもう3人目の首相になる。

 なぜ明らかにしないのか。昨春、菅直人内閣が税と社会保障改革案をまとめた際、新年金制度だけで最大で消費税7・1%増が必要との試算が出た。現状でも借金で賄っている社会保障費と早急に改善しなければならない分を合わせて消費税5%増が必要とされているのに、さらに7%が加わるのだ。結局、菅内閣は現行制度の修正案を並べただけで、新年金制度は棚上げされた。

 本来ならこの時点で決着をつけるべきだった。野党時代の民主党は抜本改革を盾に現行制度の修正に反対してきたのだ。自民党や公明党の憤りはよくわかる。しかし、国の累積債務が1000兆円と見込まれる現状を考えれば、税と社会保障改革は少しの猶予も許されない状況だ。民主党のご都合主義的な姿勢にはあえて目をつぶり、与野党協議を進めるよう私たちは主張してきた。

 ところが、野田佳彦内閣になって新年金制度が再び棚から下ろされ、一体改革の素案で完全復活した。またも財源を明記せずにである。棚上げせざるを得ない事情について党幹部間でどんな検討をしたのか。野党が協議に応じる姿勢を見せないので、選挙になった時の看板をちらつかせるためか。姑息(こそく)というものだ。

 「党全体で共有したもの(試算)ではない」と野田首相は言うが、それならば素案に載せるべきではなかった。もはや逃げることは許されない。公表される試算を徹底検討し、現時点で新年金制度が実現不可能であれば素案から削除すべきだ。これまでの民主党の年金をめぐる対応についても総括すればよい。「年金はすでに破綻している」と国民の危機感をあおり、新年金制度で選挙を利してきたのが民主党だ。その内実を国民に説明する責任がある。

 その上でだが、一体改革はやはり与野党で議論を進めてほしい。出生率や物価、経済成長などに年金財政は大きな影響を受ける。年金は大事だが、子育てや医療、介護など切迫した社会保障改革なくして将来の年金を語ることはできないのだ】

熱血!与良政談:再び政治の劣化について=与良正男

【悪い予想だけはよく当たる。

 先月の本欄で田中直紀氏の防衛相起用についてこう書いた。「野党は来週から始まる国会で格好の標的とするだろう。『田中さん、○○を知ってますか』と、最近流行の能力判定テストのような質問に多くの時間が費やされるのは目に見えている」と。

 予想を超える悲惨な状況である。憲法と自衛隊の関係といった基本質問に答えられない。野党の質問者が「硫黄島」をどう読むか、聞く。秘書官が「いおうとう」と書いたメモを田中防衛相に渡そうとすると、質問者は「メモを渡すな」と叫ぶ。もはや、見るに堪えない。

 実際には衆参の予算委員会は、自民党や公明党などの中堅どころが質問に立つ際には、消費増税や年金問題など、相当突っ込んだ質疑もされている。それをあまり報じないマスコミもいけないが、国会質疑を本筋に戻すためにも、田中氏は一刻も早くお辞めになった方がいい。

 言いたい話はここから。先月の本欄では資質を問われる閣僚は当選回数を重ねたベテランが多く、それが深刻だとも書いた。実はこの時「当選させ続けた有権者にも責任があるかもしれない」と付け加えようとしてやめた。第一に本人の責任だし、その人を候補者にする政党の責任だし、まして閣僚となれば、今回の野田佳彦首相に見るように任命者の大きな責任だからだ。

 マスコミの責任もある。私たちは何か問題が起きない限り、「その人は能力がない」とは書かない。役職に就かなければ、その人が日ごろ、どんな議員活動をしているか報じる機会も少ない。さらに新人候補となると、有名人は別として、その人となりを伝えるのは難しい。有権者の判断に足る情報を提供しているとはいえない。そんな反省もある。

 でも、それが分かっていても、田中防衛相に対する質疑を聞いていて、これほど暗たんとした気持ちになるのはなぜだろう。それは選んだ国民自身がおとしめられているような気持ちになるからではないかと、堂々めぐりのように考えるのだ。

 1月6日の朝日新聞に掲載されたインタビューで作家、半藤一利氏は「政治家が劣化するのは国民が劣化しているからだ」と厳しく断じたうえで、「国民のレベルが上がれば政治家も上がる」と語っている。

 私にはなかなか言えない言葉だが、私もそう信じたい】

 「マスメディアの役割は権力の監視」とかいう事を言い出したのはどこの誰だか知りませんが、「責任を取れ」と声を大にして言いたいところですね。国民の声には一切耳を貸さず、自ら打ち出した公約もほとんど実行できないクセに権力には固執するという政治家連中も大概ですけど、そんな権力者どものいい加減さについて「目をつぶれ」などとドヤ顔でのたまうマスコミの神経も理解できません。

 まぁ、田中防衛相の質疑を聞いていて、暗澹とした気持ちになるのは判りますよ?しかしそれは私の場合、素人の分際で大臣の椅子なんぞに座っている田中に対する怒りであり、そんな人間に大臣ポストを与えた民主党政権に対する怒りであり、そしてこの期に及んでなお民主党政権を擁護する連中に対する怒りです。彼らこそ国民を貶め、日本をダメにしている元凶と言えましょう。いやホント、与えられた役割をキッチリ果たせないってんなら、政治家だろうがマスコミだろうが、表舞台には立たないで頂きたいものです。
 

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