東京新聞コラム3/27~脱原発派は見通し甘過ぎ
【東京電力柏崎刈羽原発6号機が定期検査で運転を停止し、五十四基の原発のうち、動いているのは一基だけになった。原発が止まったら大変なことになる、と経済界はさんざん脅してきたが、どこかで停電が起きたわけではない▼東電管内でも、原発ゼロで今年の夏を迎える。でも、恐れる必要はない。電力不足キャンペーンが執拗(しつよう)に繰り広げられた昨年の夏を乗り切り、原発依存社会が虚構であると分かったからだ▼火力発電所の燃料コストが増えたから、電気料金を上げざるを得ないという主張も欺瞞(ぎまん)だ。液化天然ガス(LNG)の取引価格は、大きく値下がりしている。問われているのは、安く燃料を買う努力を放棄した電力会社の姿勢なのだ▼政府や電力会社は懲りずに電力需要に大きなゲタをはかせるだろう。そのうそを見破ろう。ピーク時の電力を分散する知恵も絞りたい。例えば、夏の高校野球の全国大会は開催を秋にずらしたらどうだろう▼東電への追加融資の条件として、メガバンクは原発の再稼働を挙げている。今後、事故が起きた場合、自らが背負う重大な責任を自覚しているのか、大いに疑問だ▼財界や大銀行が原発の再稼働を強く主張する一方、中小企業の経営者が集まった脱原発のネットワークが、急速な広がりを見せている。自然エネルギーの自給自足を目指す地域の熱意を強く支持したい】
脱原発派の言う通り、果たして今夏の電力は足りるものなのでしょうか…彼らの見通しは甘過ぎるような気がするのですが。「昨年は乗り切れたから大丈夫」「燃料も今は値下がりしている」「知恵を絞って節電すれば何とかなる」って、まだ原発が動いていた昨年と今年の夏とでは条件が明らかに異なりますし、天然ガスの価格だってこのまま夏まで低水準のままかどうかは判りませんし、知恵を絞ったところで節電にも限度ってものがあるのですよ?
だいたい原発について、事故があった折には「想定外など許されない」とし、「あらゆる可能性を考慮して、100%の安全が確保されないようでは再稼働など認めない」と述べている連中が、今夏の電力需給についてはまったくいい加減な想定しかしていないというのはいかがなものでしょう。「1000年に一度の地震をも想定しろ」などという事を原発を保有する電力会社に要求する以上、脱原発派も「1000年に一度の猛暑」くらいのものを想定した上で、電力供給は需要を満たせるのかどうかを判断するべきなんじゃありませんか?自分にできない事を他人に要求するものじゃありません、まぁそれ以前に、「あらゆる事象を100%想定する」なんてのは、人間の領域を超えた行為だと思うのですがね…。
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