東京新聞社説6/14~「私たち」とか言うな、キモイから
【私たち電力消費者は原発立地自治体の苦悩をよそに、野放図に電気を使い過ぎてきた。これまでの反省と感謝をこめて呼びかけたい。ともに原発依存から抜けだそう。新しい時代へ歩きだそう。
「社会機構が複雑化し、生活機構が都市化すればするほど、私たちは自分自身を生み育んでくれた、ふるさとの“土”に対する思慕を募らせてゆくものではなかろうか」
約四十年前、当時の福井県大飯(現・おおい)町長が町史の発刊に寄せた「美しき壮挙」と題する一文だ。原発の再稼働に激しく揺れるふるさとを、筆者はどう思うのだろう。
町史発刊から八年後の一九七九年、大飯原発1号機が営業運転を開始した。それまで見たこともないような複雑化の大波だったに違いない。
巨額の原発マネーが毎年流れ込み、雇用が生まれ、ハコモノができ、いつしか町財政の約半分を原発マネーに依存するようになっていた。
日本中が右肩上がりの経済に潤って、ふるさとを豊かにしたいと考えた。誰もそれを責められまい。だが、“泡”の経済はいつかはじけるものだと、すでに思い知らされた。
野田佳彦首相は八日の記者会見で、「四十年以上原子力発電と向き合い、電力供給を続けてきた立地自治体への敬意と感謝の念を新たにしなければならない」と、感謝の言葉を述べた。なぜ感謝したいのか。それは立地自治体が巨大な未知の危険を引き受けてくれていたからだ。
ところが、その危険はもう未知ではない。福島第一原発の事故で、それがあらわになった。世界有数の地震国日本に、例外などありえない。私たち電力消費者は、すべての原発立地地域に、危険という長年の重荷を下ろしてほしいのだ。
収入源を失うことで、暮らし向きを心配するのは当然だ。しかし、使用済み核燃料の後始末一つとっても、原発の未来は危ない。原発マネーは永続しないだろう。それより、有望な自然エネルギーの生産拠点や今後、絶対に必要な廃炉ビジネスの研究拠点などに生まれ変われるよう、ともに政府に働きかけたい。
私たちは電力への依存を改める。節電をしよう。ともに依存から抜けだそう。新しい時代に踏みだそう。今が、またとないチャンスだから】
どれだけ世間の反原発を煽っても、肝心要である原発の地元自治体がなかなかなびいてくれないので、今日の社説はそちらに向けてのお手紙といったところですかね。しかし原発で食っている人々に対し、ロクな対案も示さずに「危険だから止めろ」「新しい時代にうんたらかんたら」などと、「呼びかけ」というワリには相手の事情を一切斟酌せずに自分の主張を押し付けるだけで、交渉としては下の下ですな。
【参考】おおい町長「経済活性化に一定期間は必要と判断」 原発再稼働に同意で
【福井県おおい町議会の全員協議会で14日午前、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働に同意を表明した時岡忍おおい町長は、協議会終了後、記者団に「エネルギー需要や計画停電の懸念などを考え、経済活性化のためには原子力エネルギーが一定期間は必要だとの思いから判断した」と説明した。
西川一誠福井県知事への報告については、「今日中にも知事との会談をお願いしているが、まだ回答がない」とした。
一方、県議会の全員協議会では、西川知事が冒頭、「県民を代表する県議会の場で各派の意見をいただき、福井県として最終的な判断をする必要がある」とあいさつ。このあと、各会派が西川知事と大飯原発3、4号機の安全性などについて質疑をかわした。主要会派は明確な賛否は表明せず、知事に最終判断を一任する。
地元同意を最終決定する知事判断の前提となるおおい町長の同意が得られたことで、再稼働は秒読み段階に入った。
知事は既に事実上、同意の意向を示しており、時岡町長と県議会の意見を聞いた上で、16日にも野田佳彦首相に同意を伝える方針。再稼働は野田首相が最終決定する】
サヨクの皆さん、節電で経済は活性化しますかな?電力依存を改めて、被災地復興のために必要なエネルギーはどうやって賄うんですかな?おおい町長の判断は為政者として、まぁアンタらに比べればずっとマトモだと思いますがね?
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