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2012年8月18日

東京新聞コラム8/18~現実を突きつけろ

東京新聞「筆洗」8/18付

【江戸の町は、実に多くの物売りが行商に歩いた。夏になると現れたのは冷水(ひやみず)売り。泉でくんだ冷たい水の入った桶(おけ)を天秤棒(てんびんぼう)でかつぎ、「ひゃっこい、ひゃっこい」と声を出しながら売り歩いたという▼冷たい水に砂糖と白玉を入れて一碗(わん)四文。砂糖の量が多くなると値段は高くなる。冷水といっても時間がたつと、ぬるま湯になった(北嶋廣敏著『図説大江戸おもしろ商売』)▼蚊帳は夏の必需品。萌黄(もえぎ)染で赤い縁布を付けた近江産が有名だった。「もえぎのかやー」と長く引き伸ばす美しい呼び声は行商の名物だったという。金魚や朝顔、ところてん、すだれやよしずの行商…。電気のなかった時代、涼しさを演出する庶民の知恵だった▼厳しい残暑の中にも、夏の終わりに鳴き始めるツクツクボウシの声が聞こえてきた。秋の虫たちも、にぎやかな合唱の準備を始め、季節は確実に移ろい始めている▼企業や家庭の節電協力もあり、原発事故が起きてから二度目の夏も、経済界が脅した電力不足は生じていない。大飯原発を再稼働させた関西電力の電力需要の予測は、昨年の東京電力と同様、大きく水増ししたのではないか、という疑念が残る▼電力会社が原発の再稼働にこだわる本当の理由は電力不足ではない。原発が不良債権化し、経営の根幹が揺らぐのを避けたいからだ。頭をひゃっこくし、カラクリを見抜きたい】

 各電力会社が万が一の事態を回避すべく、身を削って電力確保に努めているというのに、その労を一切評価せず「電力は足りているじゃないか」などとうそぶいて、逆に自分たちの「脱原発」という主張を通すのに利用しようと目論んでいる連中は心底クソなんじゃないかと。こういう嫌らしい連中を黙らせるためには、一度現実ってものを突きつけてやる必要があると思うのですよね。

 いいですよー電力会社の皆さん、赤字出してまで足りない電力を補うような事はしなくていいですって。「延び延びにしている」と噂の火力発電所の点検も、事故か何か起こってからでは遅いですから、どうぞおやりになって下さい。現実を見せてやらない事には、皆さんがどれだけ頑張っても、得をするのは反原発を謳う連中ばかりという現状が変わりませんのでねぇ…。なーに、そのくらいの事をやったところで、連中が言う通り「電力が足りている」ってんなら、問題は何も起きないはずですよ。何も、ね。

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