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2012年8月22日

東京新聞社説8/22~お前らはずっと劣る

邦人記者の死 最前線で伝えた勇気

【内戦状態となったシリアで、ジャーナリストの山本美香さん(45)が戦闘に巻き込まれ死亡した。死と隣り合う最前線に立ち、何が起こっているのか伝えようとしてきた勇気に哀悼の意を表したい。

 紛争地で何が起こっているのか。その真実を伝えるために山本さんは、映像にこだわった。

 「現場の生のものを見てほしい」と日ごろから考えていた。

 イラク戦争報道でボーン・上田記念国際記者賞特別賞を受賞、本紙特報面などでアフガニスタンやイラクの報告を寄せてくれた。

 撮影するには命を危険にさらすことになる。冷静に安全を確保しながら現場に肉薄する。山本さんは政府軍と反体制派の戦闘を取材中だった。激しい戦闘に一歩でも深く迫ろうとしていたのだろう。覚悟の取材だったに違いない。

 シリアは内戦状態に入り、死者は二万人を超えた。十五万人の難民が国外に逃れている。

 だが国連はロシアや中国の足並みがそろわずに、流血を止める有効な手を打てなかった。

 紛争地からは情報がないことが常だ。国際社会が紛争を解決するには世界のニュースになることだ。それなしでは虐殺などの非人道的な行為も抑えられない。

 ベトナム戦争中の一九六八年に、ソンミ村で米兵が民間人を虐殺した事件は、報道されると反戦のシンボルとなり反戦運動が広がるきっかけになった。

 最前線に立つジャーナリストはその重要な役目を担う。新聞やテレビで語る山本さんは、女性や子どもが置かれている状況にも目を向けることで真実が見えてくるという姿勢で一貫していた。

 国際NGO「国境なき記者団」によると今年、死亡したジャーナリストは六十人を超えた。シリアでは山本さん以外に五人が亡くなっている。

 日本人では二〇〇四年にイラクで、橋田信介さんと小川功太郎さんが銃撃され死亡した。〇七年にはミャンマーで長井健司さんが治安部隊に撃たれ亡くなった。痛ましいが使命感が胸を打つ。

 山本さんは日本の子どもたちにも熱心に語りかけていた。「子どもたちは伝えて十年後、二十年後にひっかかるものを感じてくれることがある。だから説明しても分からないと思わないで」と親交のあった本紙記者に話していた。

 現場にしかない真実を求め、命懸けで赴く姿勢にジャーナリズムは支えられている

 まずは故人のご冥福をお祈りするとして、今朝の主要各紙を調べてみますと、この事件について1面コラムから社説欄まで割いているのは、「普通のニュースは他紙より遅い」東京新聞だけのようですねぇ。原発報道に血道を上げ、みっともなくも「原発報道の雄」などと自称するこの新聞社は、今回のジャーナリストの死に強く感じ入るところでもあるのでしょうか?昨日から各メディアによるこの事件の報道の仕方を見ていますと、どうも今回の件をダシにして、ジャーナリズムを自己賛美したいような連中がいるように感じるんですよね…まぁそういうのは、ちゃんと現実を見据えた報道ができるようになってからにして頂きたいものですけど。

 あと、この手の日本人が海外で亡くなるというニュースを耳にするたび、「憲法9条って何なのさ?」と思いますね。世界を巻き込んだ先の戦争の反省に立って定められたはずの憲法9条、しかしそれは世界平和にも、海外の日本人を守るのにも役に立っていないなぁ、と。

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